この研究の3年目は、研究代表者、分担者、協力者のそれぞれが、担当する方言について、より精確さを期して臨地調査をおこなった。またこれまで収集した資料の整理・分析を継続しつつ、動詞の記述をすすめた。 高江洲頼子は渡名喜島方言の辞書作成のために、単語の音声・意味について記述の検討を継続しつつ、動詞の分析・記述をすすめた。狩俣繁久は宮古島城辺・保良方言の臨地調査をおこない、分析・記述をふかめた。須山名保子(研究協力)は、奄美大和村方言の臨地調査をすすめたが、被調査者が減少している状況をふまえ、これまで長期にわたって収集してきた調査資料を生かすべくデータの整理をおこなった。仲間恵子(研究協力)は名護市幸喜方言の臨地調査をおこない、動詞の記述をすすめた。また、各方言の資料について整理を担当した。津波古敏子(研究協力)は、首里方言について整理・分析をおこないつつ、新たに、文法の調査がすすんでいない徳之島方言について、臨地調査をはじめた。島袋幸子(研究協力)は、今帰仁方言について臨地調査をおこない、分析と記述をすすめた。 来年度には、担当する各方言の文法をまとめる予定であるため、そのことを念頭におき、それぞれの方言の記述をおこない、2回の研究会で報告をおこなった。そのさい、統一的な方法論による体系的な記述のために具体的な討議と検討をおこない、今後の調査や記述の内容について検討した。次年度は、最終年度にあたるため、担当方言の形容詞についても分析をすすめ、補充調査と分析をおこなう。また、検討のための研究会を複数回ひらく予定である。
|