研究課題/領域番号 |
16320085
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
村井 章介 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (30092349)
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研究分担者 |
千々和 到 国学院大学, 文学部, 教授 (10013286)
海老澤 衷 早稲田大学, 文学部, 教授 (60194015)
柳原 敏昭 東北大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (30230270)
市村 高男 高知大学, 教育学部, 教授 (80294817)
山本 隆志 筑波大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50191416)
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キーワード | 料紙 / 武家 / 奥羽 / 伝来 / 古文書 / 顕微鏡 / 中世史 |
研究概要 |
今年度は、まず二〇〇四年六月に参加者の顔合わせを兼ねて全体会議をおこない、研究の初期設定として調査手順や調書様式、また初年度の調査先を確定した。さらに今後の調査の参考とするため、白河結城文書の歴史・概要、及び各所蔵機関における文書の内訳とその伝来について、研究分担者が解説をおこなった。これらの議題での決定事項を踏まえ、研究の基本方針として、原本の紙質・重量・厚みなど料紙のデータを丹念に採取するとともに、各文書群の成立・伝来を解明する手がかりとなる付箋・貼紙・包紙に見られる記載に注目していくことを確認した。 八月には早稲田大学と東京国立博物館において調査をおこなった。この二カ所でともに文書の写真撮影と調書作成をおこなうと同時に、全体会議で検討した調査方法を試行した。 九月には高知県立紙産業技術センターへ赴き、紙漉技法を用いた和紙の製造工程や、顕微鏡観察で確かめられる原料の特徴など、料紙そのものに関する知識を深めた。 十一月には、現在最多の文書を所蔵する機関である福島県白河市の白河集古苑において調査をおこない、さらに白河結城氏の本拠地でもあることから、同氏関連遺跡のフィールドワークも実施した。 二〇〇五年三月には国学院大学において調査をおこない、最終日には今年度調査を総括するとともに、来年度調査の日程を決定した。さらに白河集古苑所蔵文書調査のなかで得られた知見をもとに、付箋・貼紙・包紙にみられる記載パターンを分類し、後世の度重なる文書整理作業のどの段階に付されたものであるか見通しをたてた。また今年度を含め、蓄積されつつある調書内容を将来データベース化するにあたって、その様式について意見を取り交わし、雛型を作成した。
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