研究課題/領域番号 |
16320085
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
村井 章介 東京大学, 大学院人文社会系研究科, 教授 (30092349)
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研究分担者 |
高橋 裕次 東京国立博物館, 保存修復課, 保存修復室長 (00356271)
千々和 到 国学院大学, 文学部, 教授 (10013286)
海老澤 衷 早稲田大学, 文学部, 教授 (60194015)
柳原 敏昭 東北大学, 大学院文学研究科, 助教授 (30230270)
市村 高男 高知大学, 教育学部, 教授 (80294817)
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キーワード | 日本中世史 / 東日本 / 武家文書 / 伝来 / 料紙 / 白河結城家 / 仙台藩 / 秋田藩 |
研究概要 |
本年度は、研究内容の発表・公開という目標を見据え、前年度までの調査内容の点検、および関連文書所蔵先のうち未調査分に対する調査を行なった。 まず8月に藤島神社(福井県福井市)にて文書1点の補充調査、翌9月には、白河集古苑への寄託が予定されている白河結城家文書近世分の調査をおこなった。さらに12月には秋田県公文書館において、秋田藩採集文書について改めて調査し、那須氏や石川蒲田氏らの家に伝わった文書群が、白河結城文書の中に組み込まれていく様相について分析をおこなった。以上の調査結果を踏まえることで、関連文書の伝来過程について近世段階をも視野に入れた分析を加えることが以前にも増して可能となったといえる。 なおこれらの調査と並行して、3年度にわたる研究成果を市民に向けて広く公開し、地元の持つ歴史に対する興味関心を喚起する目的で、11月11日・12日両日に「白河結城文書サミット」を白河市内で開催した。特に初日のシンポジウムでは、白河結城氏とその庶家小峰氏とが当地域さらに東国の中で展開した政治史や、モノとしてみた古文書の魅力、また地元に残された史跡に対する考古学的アプローチなど、計6本の報告をおこない、250名もの参加者を得ることができた。 その後は調査成果の整理に取り組み、その結果、13本の論考と文書目録、関係文献目録からなる成果報告書500部を年度末に刊行した。また調査を通じて入手した各文書の書誌データや画像のうち、掲載許可が得られたものを素材として「白河結城氏文書データベース・暫定版」を構築し、中世史研究者や各学術機関、そして白河市に頒布(100部)した。
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