本年度も、昨年に引き続き倉富勇三郎日記大正9年分の翻刻と電子的テキスト化の作業をおこなった。大正9年分については翻刻を完了し、大正10年分に進んでいる。翻刻テキストは、plainなテキストファイルまたは、Microsoft Wordのファイル形式で保存している。電子テキスト化は遅れており、大正9年分の半分が完了したにすぎない。計画段階のみとおしが、かなり甘かったことが判明した。これは、翻刻の校閲とHTML化に予想外の時間をとられるためである。できあがった日記は、随時以下のサイトにアップロードしている。 http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/%7Eknagai/kuratomi/kuratomi.html 電子テキスト化した日記そのものは、アクセスを制限しており、研究代表者が認めたものしか閲覧できない。しかし、電子メールによる閲覧申請をうけつけており、昨年度は5名の申込みがあり、閲覧を許した。その外に、上記Webサイトには、倉富勇三郎日記に関連する研究の結果を予稿のかたちで掲載している。本年度は、「倉富勇三郎日記と植民地朝鮮」「倉富勇三郎の経歴について(第1版):付倉富勇三郎と日比谷騒擾事件」を掲載した。 2005年12月24日に国際日本文化研究センターにおいて「倉富勇三郎と植民地朝鮮」と題して口頭報告をおこなった。なお、1920年制定の皇族の降下に関する施行準則をめぐる問題については、現在論文のかたちでまとめつつある途中であり、2006年中に完成の予定である。また、日本歴史学会の求めに応じて、共同研究の概要を説明する一文を作成し、『日本歴史』の特集号「共同研究の成果とゆくえ」に掲載した。
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