研究課題/領域番号 |
16320089
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐伯 弘次 九州大学, 人文科学研究院, 助教授 (70167419)
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研究分担者 |
坂上 康俊 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (30162275)
安藤 保 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (60136827)
山口 輝臣 九州大学, 人文科学研究院, 助教授 (20314974)
森平 雅彦 九州大学, 人文科学研究院, 講師 (50345245)
六反田 豊 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (40220818)
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キーワード | 海東諸国紀 / 日本人通交者 / 偽使 / 日朝関係 / 倭寇 |
研究概要 |
1.『海東諸国紀』の研究 中世日朝関係史の基本史料である『海東諸国紀』について、200名近い日本人通交者を日本側史料から検証する作業を行った。その結果、従来指摘されている瑞祥祝賀使・「宗貞国請」以外にも多くの偽使が含まれていることを明らかにした。その成果は9月と1月に研究会で報告を行った。今後、研究論文としてまとめる予定である。 2.『韓国文集叢刊』からの史料抽出 『韓国文集叢刊』の目録を作成し、高麗〜朝鮮前期の日本関係史料を抽出する作業を行った。壬辰倭乱以前の関係記事では、従来使用されていない前期倭憲関係史料を発掘した。叢刊の量が膨大であるため、今後も史料抽出作業と読み込み作業を継続し、日朝関係史料の発掘を行っていく。 3.資料調査 山口県立大学附属図書館所蔵の「寺内文庫」の資料調査を行った。この文庫は寺内正毅が朝鮮総督時代に収集した資料を中核としており、朝鮮本や朝鮮時代の古文書があることを確認した。 4.現地調査 6月に中国の揚州・杭州・寧波・舟山列島に行き、日本関係の資料・史跡を調査した。特に遣唐使や日宋貿易・博多在住宋商人・日明貿易・後期倭冠関係の資料・史跡の調査を行った。寧波では、遣明使節が訪問した城内の寺院を調査し、その多くが何らかの形で存続していることを確認した。 9月に韓国・全羅南道:の光州・木浦・珍島に行き、日朝関係資料・史跡を調査した。日元貿易・三別抄・清海鎮関係の資料・史跡の調査を行った。光州国立博物館と木浦の国立海洋展示館では、新安沈没船関係の遺物多数を実見し、14世紀前半の中国・高麗・日本3国間の交流史に関して知見を得た。 11月には韓国・ソウルと全州に行き、日本関係資料の調査を行った。ソウルでは国史編纂委員会所蔵「対馬島宗家文書」の調査を行い、新しい中世日朝関係資料を発掘した。全州では、全北大学校を訪問し、研究代表者の佐伯が「15・16世紀の九州と東アジア」と題する研究報告を行い、現地研究者との交流を深めた。
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