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2005 年度 実績報告書

永青文庫細川家文書の史料学的解折による近世民衆生活・行政実態の比較史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16320090
研究機関熊本大学

研究代表者

吉村 豊雄  熊本大学, 文学部, 教授 (90182823)

キーワード地域社会 / 地方行政 / 村 / 村政 / 民衆生活 / 社会 / 自治 / 公共事業
研究概要

本研究の主体をなす日本史研究班は、16年度に引き続いて、「永青文庫」細川家文書のなかで藩制の基幹文書をなしている「覚帳」「町在」の系統解析に全力をあげている。とくに「覚帳」は藩制所期から維新期にいたる長期系統的な藩制文書であり、合計371冊に及び、一冊に衆百の事案を包含する帳簿群を悉皆的に系統解析することはできないので、時期と地域(郡)を絞り込み、時期的には18世紀中期(宝暦期)、19世紀初期(文化・文政期)、19世紀中後期(嘉永・安政期)を、地域的には本学で集積している惣庄屋・庄屋文書と対応できる飽田・託摩両郡を中心に解析作業を進めてきた。具体的には一件ごとに主要事項を記入するカードを作成している。16、17両年度の作業を通じて特に注目したいのは、村・手永(郡と村の中間行政区域)から藩部局に起案された文書の原物が「覚帳」「町在」の基本料紙を用いて作成され、一件文書として綴り込まれている事実である。このことは、地方行政を構成する諸事案が、藩部局と地域社会との間でどのように起案され、許認可され、政策執行されて記録保存されたのかを解明する基本的な観点となりうる。16、17両年度の作業を経て藩行政と地域社会・民間社会の行政能力との関係が典型的に解明できる状態になりつつある。
中国史班は、近年、代表的な清代地方衙門文書の一つである「巴県档案」の収集・検討を進め、また同時期の日本・中国地方行政文書の比較検討も進捗している。これに西ヨーロッパの作業を加え、「行政と社会」の国際比較史的研究を進め、18年度の報告書作成作業に展開させたいと考える。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] 日本近世における津波復興の行政メカニズム2006

    • 著者名/発表者名
      吉村豊雄
    • 雑誌名

      文学部論叢(熊本大学文学部) 89号

      ページ: 75-112

  • [雑誌論文] 石造物調査と地域史研究2006

    • 著者名/発表者名
      稲葉継陽
    • 雑誌名

      日本歴史 693号

      ページ: 97-105

  • [雑誌論文] 熊本藩金納郷士制度に関するノート2005

    • 著者名/発表者名
      三澤 純
    • 雑誌名

      世界的文化資源集積と文化資源科学の構築

      ページ: 124-147

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 日本前近代地方行政の到達形態と文書管理システム2005

    • 著者名/発表者名
      吉村豊雄
    • 雑誌名

      世界的文化資源集積と文化資源科学の構築

      ページ: 98-128

  • [雑誌論文] 天草四郎の実在性をめぐって2005

    • 著者名/発表者名
      吉村豊雄
    • 雑誌名

      熊本大学日本史研究室からの洞察

      ページ: 189-217

  • [雑誌論文] 民蔵問題と地方官2005

    • 著者名/発表者名
      三澤 純
    • 雑誌名

      熊本大学日本史研究室からの洞察

      ページ: 278-309

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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