研究課題/領域番号 |
16320091
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
豊見山 和行 琉球大学, 教育学部, 教授 (40211403)
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研究分担者 |
赤嶺 守 琉球大学, 法文学部, 教授 (20212417)
高良 倉吉 琉球大学, 法文学部, 教授 (60264470)
山里 純一 琉球大学, 法文学部, 教授 (50166659)
上原 兼善 岡山大学, 教育学部, 教授 (20107204)
真栄平 房昭 神戸女学院大学, 文学部, 教授 (50183942)
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キーワード | 琉球史 / 首里王府 / 尚家文書 / マイクロフィルム撮影 / 対清貿易 / 個人貿易 / 雨乞い儀礼 |
研究概要 |
本年度の研究は、第一にマイクロフィルム撮影・デュープフィルムの作成および紙焼き製本による史料整備と第二に尚家文書そのものを検討する研究会に分けられる。 マイクロ撮影は、モノクローム撮影と彩色の施されている文書分についてはカラー撮影を行った。前者は「丙寅冠船之時上様御装束帳」、「従御国元渡唐船作広昆布差荷之一件」、「牛痘一巻」、「喜安日記」、「簑翁片言」、「法条」等のものである。後者は「御葬具図帳」、「大清同治五年 丙寅火花方日記」、「唐冠服図帳」、「量地法式集」である。後者はDVDにも収録した。 研究会を3回行い、次のような成果をあげた。第一回目は前年度の反省と全体の撮影・紙焼きの進捗状況と未撮影分を本年度で完了すること、本年度の課題などを分担者・協力者全員で討議した。その結果、修復の必要な文書を除き、本年度でほぼ尚家文書全体の撮影を終了することができた。尚家文書の個別研究報告においては、文書番号第389号と第263号の紹介・検討によって琉球・薩摩関係上での黒糖生産と昆布貿易との関連性が明瞭となった。また、第487号について未検討の部分を含め全体的報告があり、1870年代の両先島に対する島政改革を具体的に把握することが可能となった。 第二回目の研究会は、第475号〜第480号の計6文書から首里王府による「雨乞い儀礼」に関する詳細な紹介・検討が加えられた。雨乞い儀礼に関するまとまった史料は尚家文書のみであり、王権儀礼を深める重要な史料であることが判明した。また、第274号の紹介によって、対清貿易における進貢使節の私物(個人貿易)の量的把握が可能になったことと関連文書として第275号の紹介・検討も行われた。 第三回目の研究会は、代表者および各研究分担者の課題にそった文書の閲覧・分析にあて、次年度(最終年度)の報告書作成へ向けての協議を行った。
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