研究課題/領域番号 |
16320098
|
研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
太田 出 兵庫県立大学, 経済学部, 助教授 (10314337)
|
研究分担者 |
山本 英史 慶応義塾大学, 文学部, 教授 (90127796)
稲田 清一 甲南大学, 文学部, 教授 (60221777)
陳 來幸 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (00227357)
佐藤 仁史 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (60335156)
|
キーワード | 中国近現代史 / 地方新聞 / 地方档案 / 郷土史料 / 現地調査 / 村落 / 漁民 / 宗教的職能者 |
研究概要 |
本年度は昨年に引き続き、現地江南デルタにおいて研究スタッフ全員で文献史料調査・聴取調査を実施した。期間は研究者個人によって様々だが、概ね8月初旬〜9月中旬の比較的長期間にわたって行った。調査対象地は前年度が江蘇省南部を中心としたため、本年度は浙江省北部、主に嘉興市・嘉善県・湖州市等に重点を置いて調査した。 まず文献史料調査であるが、浙江省の嘉興市図書館・嘉興市档案館・嘉善県档案館・湖州市図書館・湖州市档案館のほか、江蘇省の呉江市図書館・蘇州市档案館・崑山市档案館、上海市の青浦区档案館、上海市図書館・上海市档案館へ赴き、主に清末民国期の史料を閲覧・撮影した。これらの図書館・档案館には今まで紹介されたことのない厖大な量の地方新聞・地方档案・郷土史料が所蔵されており、今回の調査においてほぼその概要をつかむことができたと同時に、主要な史料群の撮影に成功した。帰国後、これら史料群の読解を鋭意進めつつある。 続いて聴取調査であるが、これは主に上記史料所蔵機関が休館の日を利用して実施された。今回聴取対象として赴いたのは呉江市北〓鎮の大長浜村で、現在我々はこの江南デルタの一村落を徹底的に調査し始めている。本年度は長短あわせて50名ほどの村の老農民から解放前の状況を中心に聴取を行うことができた。そのほか、周辺の複数の村落へも足をのばし、北〓鎮漁業村、蘆墟鎮栄字村、七都鎮漁撈村などの村落において聴取を実施した。また、工商聯の元幹部からも有益な聴取ができた。こうした聴取調査は文献史料に描かれない部分を補う意味で、農民のみならず、漁民や宗教的職能者などの実態を知るうえで極めて重要な作業となる。来年度も継続して行う予定である。 そして帰国後、11月に研究スタッフ全員が神戸市三宮に集まり、夏季調査の反省及び現在の研究状況の進捗等について報告・討論を行った。また、1月末から2月初に、夏季調査の際に現地で協力していただいた中山大学歴史系助教授の呉滔氏を招聘し、東京学芸大学で講演をしていただいた。タイトルは「草里村与荘家〓廟考察」である。
|