研究課題/領域番号 |
16320098
|
研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
太田 出 兵庫県立大学, 経済学部, 助教授 (10314337)
|
研究分担者 |
山本 英史 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (90127796)
稲田 清一 甲南大学, 文学部, 教授 (60221777)
陳 來幸 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (00227357)
佐藤 仁史 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (60335156)
|
キーワード | 江南デルタ(太湖流域) / 地方文献 / 現地調査(フィールドワーク) / 農漁村 / 市鎮 / 地域社会 |
研究概要 |
本年度は本研究課題の最終年度にあたるため、私費も含めて夏・秋・春の計3回の調査を実施すると同時に、12月2日には慶応義塾大学・東アジア研究所において「清末民国期、江南デルタ社会の構造的変動と地方文献の可能性」と題するシンポジウムを開催した。 8月20日〜9月17日の夏季調査にはメンバー全てが参加し、上海市青浦区档案館、同松江区档案館、江蘇省常熟市図書館、常熟市碑刻博物館、呉江市図書館、呉江市档案館で地方文献を閲覧・撮影した。また入手した地方文献を手がかりに現地調査(フィールドワーク)を実施し、上海市青浦区、江蘇省呉江市を中心として、鎮で工商業関係者、農漁村で老農民・老漁民からヒアリングを行った。10月29日〜11月1日の秋季調査は太田・佐藤両名で実施、青浦区金沢鎮の楊爺廟の廟会を観察するとともに、老農民・老漁民からヒアリングした。3月15日〜3月26日の春季調査も太田・佐藤両名で行い、呉江市の農漁村を中心に補充のヒアリングを継続実施した。かかる研究成果の詳細は最的に報告書の中で発表される予定である。また、2007年末には太田出・佐藤仁史編『太湖流域農村の歴史学的研究』(仮題、汲古書院)を、2008年にはヒアリングを整理した太田出・佐藤仁史編『太湖流域農村調査報告=書・第一集呉江篇』(仮題、汲古書院、今後第5集程度まで刊行予定)を出版し、研究成果を世に問いたいと考えている。 12月のシンポジウムでは山本の司会進行の下、太田・佐藤両名が「民国期の青浦老宅鎮と太湖流域漁民」「清末民国期における近代教育の導入と鎮一郷関係」、また台湾・中国から招聰した唐立宗氏(台湾・万能科技大学通識教育中心)・夏氷氏(中国・蘇州政協)が「明中後期広東恵州山区鉱盗、地域変動与士民議論」「清末民初蘇州紳民群体及其活動」のタイトルでそれぞれ発表を行い、活発な議論が展開された。なお、唐・夏両氏の報告内容は2007年末の慶應義塾大学・三田史学会『史学』に太田・佐藤両名の翻訳により掲載される予定である。
|