研究課題/領域番号 |
16320098
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
東洋史
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
太田 出 兵庫県立大学, 経済学部, 助教授 (10314337)
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研究分担者 |
山本 英史 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (90127796)
稲田 清一 甲南大学, 文学部, 教授 (60221777)
陳 來幸 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (00227357)
佐藤 仁史 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (60335156)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | 江南デルタ(太湖流域) / 地方文献 / 現地調査 / 農漁村 / 市鎮 / 地域社会 |
研究概要 |
2004〜2006年度の3年間にわたる太湖流域農漁村調査は極めて充実した内容となり、今後さらに研究を発展させていく大きな足がかりを得ることができた。内容を整理すれば以下のとおり。 第一に、主に夏季休暇を利用して、江南デルタの県・市・区レヴェルの梢案館・図書館で地方文献(地方新開、地方梢案、郷土史料)の本格的な調査を実施した。具体的には呉江市档案館、青浦区档案館、嘉善県档案館、嘉興市档案館など計24カ所に及んだ。その成果は極めて驚くべきものがあり、解放前に市鎮本体で発行された新聞・地方志のほか、周辺農村を含む行財政統計・村落分布図・保甲冊籍・地籍図冊・囲墾養魚・私塾調査・商会(工商聯)設立・漁会入会登記・廟会などに関する貴重な文献史料が多数存在することが判明した。その研究成果は研究成果報告書のほか、太田出・佐藤仁史編著『太湖流域農村の歴史学的研究』(汲古書院、2007年刊行予定)として発表される予定である。 第二に、農漁村に赴いて郷村統治関係者(書記・会計・婦女主任、保長・甲長・図正・保正・〓甲)、土地改革・互助組関係者(農会幹部・分田小組組長・互助組組長)、老農民(雇農・貧農・中農・富農)、老漁民(船上生活者・漁業村幹部)、米行・魚行・絲綢行関係者、私塾塾師、宣巻藝人、廟会組織人、村廟管理人(巫婆)など計150名ほどから聴取調査を行った。これらは来るべきフィールドワークの実施向けての準備として位置づけられる。しかしながら学術的にみても極めて有意義な聴取調査ができたため、現在、太田出・佐藤仁史編著『太湖流域農村調査報告書・呉江篇』(汲古書院、2008年刊行予定、続編も現在整理中)として整理・出版を予定している。 第三に、毎年、同地域を研究する若手外国人研究者を招聘、シンポジウムを開催して、最新の研究成果について討論した。2004年度には馮筱才氏(中国・復旦大学)「地方文献与区域研究--以近世江浙商人之研究為例」、2005年度には呉滔氏(中国・中山大学)「草里村和荘家〓考察報告」、2006年度には唐立宗氏(台湾・万能科技大学通識教育中心)「明中後期広東恵州山区鉱盗、地域変動与士民議論--以『定氛外史』為中心的分析」、夏氷氏(中国・蘇州政協)「清末民初蘇州紳民群体及其活動」にそれぞれ報告していただき、活発な討論を行った。
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