研究課題/領域番号 |
16320101
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
永原 陽子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (90172551)
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研究分担者 |
舩田クラーセン さやか 東京外国語大学, 外国語学部, 講師 (70376812)
清水 正義 白鴎大学, 法学部, 教授 (20216104)
鈴木 茂 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (10162950)
浜 忠雄 北海学園大学, 人文学部, 教授 (70091535)
平野 千果子 武蔵大学, 人文学部, 教授 (00319419)
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キーワード | 植民地責任 / 脱植民地化 / 植民地支配 / 奴隷制 / 奴隷貿易 / 補償 / 戦争責任 |
研究概要 |
「植民地責任」という新しい概念を措定することで脱植民地化の歴史を再考することを目指す本研究では、第1年度、4回の共同研究会を開いて研究を進めてきた。 第1回の研究会(4/24)では各自の分担を確認した上で、荒井信一氏(研究協力者)による人種主義と脱植民地化にかんする総論的な報告を手がかりに、今後の共同研究のポイントとなる戦争責任論と植民地責任論における法的議論と歴史的、倫理的議論との問題について論じた。つづく第2回(7/10)には林博史氏(研究協力者)が日本の、清水正義氏がヨーロッパの戦争責任論と植民地責任論との歴史的関連について報告した。 その後、具体的なケース・スタディに入り、第3回(10/2)には浜忠雄氏がハイチによる「返還と補償」の要求について取り上げ、尾立要子氏(研究協力者)が奴隷貿易の歴史の認識にかかわる最近のフランスおよび国際社会の動向について紹介した。第4回(12/11)には、尾立要子氏(研究協力者)がフランス海外県の再編の歴史を「植民地責任」の観点から紹介し、永原陽子がナミビアにおける植民地戦争の犠牲者の補償要求運動について紹介した。 本年度の共同研究では、戦争責任論の中からどのように「植民地責任」を腑分けして論じることができるのか、日常化した植民地主義の「責任」の問題をどのように問うことができるのか、それらの問いかけにおいて、法的議論と倫理的議論、歴史的議論との関係をどのようにとらえるべきか、などの点が、本テーマにかかわる主要な論点として浮かび上がった。
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