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2005 年度 実績報告書

西アジア先史時代における物質管理システムの研究-社会はどのように複雑化したか-

研究課題

研究課題/領域番号 16320105
研究機関筑波大学

研究代表者

常木 晃  筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (70192648)

キーワード西アジア先史時代 / 物資管理システム / スタンプ印章 / 印影 / 封泥システム / トークン / おもり / 社会の複雑化
研究概要

人間社会が複雑化するのに伴って、物資や情報の管理システムが発達していく。素朴な杜会では税や使役は存在しないかあってもごく小規模なものである。ところが社会が巨大化し恒常的な権力が生れるにつれて、権力は徴税や使役を人々に課すようになる。そしてそのための様々な物資・情報管理システムを考案していくことになる。本研究では、海外共同研究者の協力を得て、西アジア先史時代遺跡から出土する物資管理に直接関連する遺物群、具体的には印章・印影・トークン・おもりなどを集成しデータベースを作成するとともに、それらを比較して体系化し、物資管理の側面から社会が複雑化するプロセスを復元しようと試みるものである。そして同研究を通じて、農耕社会から都市社会へと至る西アジア先史時代社会の展開を見通すことを最終的な目的としている。
本研究の実施事項は、西アジア先史時代に帰属する遺跡で印章・印影・封泥・トークン・おもりを出土している遺跡の探索・研究、および各遺跡から出土した遺物の実測・写真撮影・レプリカ製作・デジタル画像化である。これらの遺物を所蔵している主要な博物館を回り、1点ごとに資料化を行っていく。これらの資料化と同時並行的に、比較研究を行い、出土コンテクストなどについても詳しい情報を蓄積する。そしてこうしたデータに基づいて、もののやり取りや貯蔵のコントロールがいっごろどのように複雑化していったのかを復元する。
現在、研究計画の2年目であり、1年目にイギリス大英博物館、ロンドン大学、シリアラッカ博物館、アメリカシカゴ大学オリエント研究所博物館などで行った資料調査の成果をデータベース化するとともに、遺物実測図の電子トレースを行っている。また、シリアイドリブ博物館および同ラタキア博物館で資料調査を実施している。また、調査成果の一部については、東京大学で2005年7月に行われた国際シンポジウムで発表した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] オリーブの文化誌2006

    • 著者名/発表者名
      常木 晃
    • 雑誌名

      Orienta 32

      ページ: 19-28

  • [雑誌論文] Early PPNB between the Euphrates and Cyprus2005

    • 著者名/発表者名
      Akira Tsuneki et al.
    • 雑誌名

      Orient Express : Notes et Nouvelles d' Archeologie Orientale 2004/4

      ページ: 93-95

  • [雑誌論文] シリア民族誌から見た土器生産の専業化2005

    • 著者名/発表者名
      常木 晃
    • 雑誌名

      世界の土器づくり(同成社)

      ページ: 61-82

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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