研究課題/領域番号 |
16320106
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大貫 静夫 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (70169184)
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研究分担者 |
後藤 直 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (20292732)
秋山 進午 大手前大学, 史学研究所, 所長 (00126484)
谷 豊信 東京国立博物館, 文化財部列品課, 課長(研究職) (70171824)
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キーワード | 東北アジア / 古代史 / 燕 / 牧羊城 / 陵陽 |
研究概要 |
燕勢力進出以前の西周段階から戦国時代燕の東方進出以降、漢代並行期にかけての東北アジアの動向は日本列島の弥生時代の成立を考える場合にきわめて重要である。その中でもっとも重要な地域である遼寧地域の中原化変容過程およびその周縁地域への影響について考古資料を中心として再構成することを目的とする。 東京大学文学部考古学研究室には戦前に収集された、当該期における遼東地域の重要な資料である、牧羊城遺跡、遼陽墳墓群出土資料がある。これらにはすでに公刊された報告書があるが、現在の研究視点から見れば不十分なものであり、再整理をおこない再資料化することを出発点とする。 今年度は、牧羊城出土資料を重点的に整理した。いまだ、整理は完了しておらず、来年度も継続する。現在までの整理でも、戦国時代にさかのぼりそうな遺物が認められるが、量的な問題や層位的な問題は今後の整理の課程で明らかになるであろう。 これらの貴重な資料を現在知られる華北など周辺地域の同時代遺跡、遺物と比較しながら、再検討するために、今年度は遼東、遼西から内蒙古赤峰地区において、東周から秦漢時代の古城址を中心とする遺跡の踏査をおこなった。遼西から、赤峰地区にかけては、戦国時代の燕系の遺跡や墓を多く確認することができたが、あいかわらず、遼東地域での発見例が少ないことが分かった。 以上のような所見を基礎として、遼寧式銅剣に代表される在地系の文化段階から燕の東方進出期以降にかけての遼寧地域の中原化変容過程およびその周縁地域とくに朝鮮半島に与えた影響について来年度以降に明らかにする。
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