研究概要 |
本研究では,1年ごとの^<14>C年代-暦年代較正データが必要となる.放射性炭素研究の国際機関から提供されているINTCAL98には,西暦1551年から西暦1955年までは1年ごとの^<14>C年代-暦年代較正データが提供されている.そこで,名古屋大学太陽地球環境研究所と共同で,同研究所で集められた屋久杉や他の巨木について,年輪年代を確定したうえで,西暦1551-1955年の間の樹木年輪について,1年ごとに年輪試料を分割し,^<14>C年代測定を進めた.部分的には測定が終わっており,それらについてウイグルマッチング解析を試みる予定である. また,これまでに進めてきた中国-北朝鮮国境に位置する長白山の10世紀の巨大噴火(B-Tm噴火)によって埋没した炭化樹木(樹齢102年)のウイグルマッチング解析について,さらにきめ細かに,^<14>C年代測定を進めた.さらに,B-Tm噴火に関連して,長白山から採取した別の炭化樹木(樹齢50年)についても,年輪を1年ごとに分割して^<14>C年代測定を行い,ウイグルマッチングを実施した.その結果は,まだ解析中であるが,樹齢102年の炭化樹木とは異なった^<14>C年代変動ウイグルを示しており,今後,詳細に検討する必要がある.また,INTCAL98は,西暦1551年より古い年代は、10年の年輪をまとめて^<14>C年代測定したデータしかない.そこで,B-Tm噴火前後に当たる年輪年代を有する樹木年輪を別途に探して,これを,1年ごとに分割して,^<14>C年代測定する準備を進めた. 今年度は,また,ウイグルマッチングのプログラム開発も進めた.従来は,エクセルプログラムを用いており,データの整理が複雑で解析に時間を要する.エクセルプログラムによる解析システムは完成しているが,時間節約を期して,別の解析用ソフトウエア,例えば,FORTRUNをベースにした解析プログラムを検討中である.
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