研究課題/領域番号 |
16320110
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
小畑 弘己 熊本大学, 文学部, 准教授 (80274679)
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研究分担者 |
甲元 眞之 熊本大学, 文学部, 教授 (70072717)
山田 悟郎 北海道開拓記念館, 学芸部, 学芸部長 (00113473)
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キーワード | ダイズ / 焼畑 / 炭化種子 / レプリカ法 / フローテーション法 / 初期農耕 / 国際研究者交流 / Welsh |
研究概要 |
1.研究の目的 本研究の目的はフローテーション法およびレプリカ法を駆使した種子資料の回収を通じ、東北アジアの主要穀物である麦類を含めた雑穀資料の東北アジア的展開を探ることである。この課題に対処するため、(1)日本(とくに九州地方)、ロシア極東地方、朝鮮半島・中国の遺跡出土穀物の集成、(2)雑穀(ムギ類・ミレット類)の形態的比較研究という作業を実施する。 2.本年度の研究業績 (1)日露韓の研究者の参加を得て、宮崎県椎葉村において椎葉民俗博物館と九州古代種子研究会の共催で、研究発表会を開催した。焼畑を含めた先史時代の農法について検討した。(2)九州地方の種実資料の回収のため、熊本県阿蘇市宮山遺跡(弥生)、福岡市博多遺跡群第172・175次調査地点(中世)、鴻臚館遺跡(古代)などの種子の選別・回収・同定作業を実施した。(3)九州における農耕開始期の種実資料の充実をはかるため、島原半島の縄文時代後期遺跡である大野原遺跡、熊本県の同時期の遺跡である瀬田池之原遺跡、三万田遺跡、北久根山遺跡などの土器圧痕レプリカ法による種実資料の検出作業を行い、穀物圧痕、貯穀害虫圧痕などを検出した。この作業を通じて縄文時代のダイズの存在を実証したことは大きな成果である(新聞報道あり)。 3.研究の公開と成果 宮崎県椎葉村で2007年9月22・23日に開催した「第4回九州古代種子研究会」には内外の研究者や有識者を招聘して公開研究発表を行った。焼畑や農法をテーマに関する研究発表に加え、焼畑見学も同時に行ったため一般市民も含め100名前後の参加があり、種子研究の重要性の認識の普及に大きな成果となった。また、アメリカ考古学会(4月・オースティン市)での研究成果を発表した。
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