研究分担者 |
中川 聡史 神戸大学, 経済学研究科, 助教授 (10314460)
廣嶋 清志 島根大学, 法文学部, 教授 (20284010)
阿部 隆 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (80094936)
井上 孝 青山学院大学, 経済学部, 教授 (10211749)
小池 司朗 国立社会保障・人口問題研究所, 研究員
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研究概要 |
本研究の目的は,これまで解明が不十分であった明治期から1940年代の間における地域人口変動を明らかにすることである。具体的には,従来のように各人口要素を独立に検討するのではなく,地域の出生・死亡水準によって生じる余剰人口としての潜在的移動者と実際の人口移動,家族形態,経済構造等との関連性を考慮に入れながら地域人口の変動を明らかにする。方法としては,明治以降の不完全な地域別データの推計とそれによる分析,GISを取り入れたベースマップによる府県別市町村別データベースの作成,人口動態や人口移動変化の典型的な地域について実態調査を含めた事例研究を行う。 本年度は本格的な研究に取り組むための基礎的な研究作業の推進と研究環境の整備が中心的な作業であった。具体的な成果は以下の通りである。 1 人口動態と人口移動の関連性の分析について,明治初期から中期にかけての府県および市郡別年齡別人口,出生数,死亡数,および移動数を収集し,それらから市郡別出生力および死亡力の推計を行うとともに,人口移動の推計についての方法を検討した。 2 国内人口移動と国際人口移動については,国勢調査の男女年齡別人口から求められる純移動数及び率のデータを整備,分析した。 3 GIS利用については,明治期の市町村別境界変更,人口等を瞬時に示すことのできる地図作成をおこなった。 4 事例研究として,北海道への移動と土地利用・産業の変遷の分析を推し進め,明治期山陰の人口変動の分析を行った。 5 初年度の成果を議論し,参加メンバーで情報を共有するため,神戸大学で研究会を開催した。
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