研究課題/領域番号 |
16320116
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
澁谷 鎮明 中部大学, 国際関係学部, 助教授 (60252748)
|
研究分担者 |
山元 貴継 中部大学, 人文学部, 講師 (90387639)
内藤 和彦 中部大学, 工学部, 教授 (50102778)
河原 典史 立命館大学, 文学部, 助教授 (60278489)
|
キーワード | 旧植民地 / 地籍資料 / 地籍図 / 土地台帳 / 沖縄 / 台湾 |
研究概要 |
平成16年度は、以下の2点を中心に研究を実施した。 (1)まず、これまで渋谷・山元・河原が扱ってきた、日本が戦前期に作成した朝鮮半島の地籍資料の位置づけをするために、近代日本における地籍資料の作成に関する検討を行った。具体的には朝鮮半島などいわゆる「外地」の地籍資料(特に地籍図)を、日本本土の地籍資料と比較しつつ、その精度や作成方法などの面を中心に、文献調査などを行った。その結果、日本本土の地籍図に比べ沖縄・朝鮮などで作成された地籍図の精度が高いことが確認され、またその原因として明治期の北海道の地籍図作成において「連絡図」と呼ばれる、経緯線(グリッド)を使用した見取り図が用いられたことがあるものと考えるに至った。また河原は「『京都地籍図』の作成経緯をめぐる基礎的研究」において、日本における地籍図の利用に関する検討を行った。 (2)次に、沖縄における地籍資料の所蔵調査とおよび台湾における現地予備調査を行った。沖縄では琉球処分後実測調査によって地籍資料が作成されたが、まずこれらの地籍資料の所蔵について確認した。それによると、沖縄本島の本部町、宜野湾市、勝連町、宮古島の城辺町等において地籍図の所蔵が確認され、八重山諸島の石垣市・竹富町においては地目入り測量図のコピーと、旧土地台帳の所蔵が確認された。実際に宜野湾市などで地籍図を閲覧した結果、朝鮮半島の「索引図」と類似した様式の「間切図」が作成され、すでに明治後期には地籍図の様式がある程度確立していたことなどが確認された。一方、来年度本格的に調査を行う台湾においては、これまで内藤が調査を行っていた花蓮市周辺において予備調査を行い、花蓮地政局に日本時代の旧地籍図と旧土地台帳が所蔵され、利用可能であることを確認した。また、戦前に徳島県からの日本人移民が来住した旧・吉野村において現地予備調査を行った結果、来年度の研究対象地域とした。
|