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2005 年度 実績報告書

琉球・沖縄文化とアイヌ文化の比較研究-ヤマト文化を媒介として

研究課題

研究課題/領域番号 16320119
研究機関法政大学

研究代表者

吉成 直樹  法政大学, 沖縄文化研究所, 教授 (80158485)

研究分担者 永瀬 克己  法政大学, 工学部, 教授 (30061237)
藤井 貞和  立正大学, 文学部, 教授 (40134754)
橋尾 直和  高知女子大学, 文化学部, 助教授 (00244400)
本田 優子  札幌大学, 文化学部, 助教授 (30405625)
安江 孝司  法政大学, 法学部, 教授 (40061197)
キーワード伝承された歴史 / 口承文芸 / 『おもろさうし』 / 非歴史史料 / 物質文化 / オーストロネシア語 / 琉球・沖縄 / アイヌ
研究概要

1.琉球における文字のなかった時代の「歴史の語り」に関する研究-アイヌ口承文芸との比較を通して
琉球において最初の文字資料とされるのは琉球王府が16〜17世紀に編纂した祭式歌謡集『おもろさうし』であり、はじめての正史は1650年に編纂された『中山世鑑』である。『中山世鑑』の15世紀以前の文字のなかった時代の歴史記述は、何がしかの事実が散りばめられているにしても、まったく信頼することのできないものであることを明らかにした。今年度は、最も古い文字資料である『おもろさうし』を活用することによって歴史復元を試みた。その結果、『おもろさうし』を操作することによって得られた「歴史」は、正史の語る歴史とは異なり、中国、朝鮮の史書に残されている記事によく符合することが明らかになった。『おもろさうし』は文学資料とみなされてきたが、「歴史史料」としても充分に利用できることがわかった。また、琉球の文字のない時代の歴史は、人々が語り続けてきた口承の歴史のなかに事実が存在する場合があり、口承文芸の歴史の活用への活路を開く手がかりを得ることができた。これは、アイヌの口承文芸のなかに表現される「歴史的事実」を抽出するための、有力な方法となりうる。
2.琉球・沖縄とアイヌにおける文化的類似に関する研究
琉球・沖縄文化とアイヌ文化には類似する要素が多く存在することを前年度の調査で明らかにしたが、それが一体、何を意味するものかを検討した。その結果、アイヌ文化とは縄文文化の伝統を継承しつつ、オホーツク文化との接触によって形成された文化であると考えれば、アイヌ文化の基層にある縄文文化が日本列島(沖縄諸島以北まで)を覆っていた時代の文化が、アイヌ、琉球に残存したものであるとの見通しを得た。しかも、アイヌ語と琉球語に南島語(オーストロネシア語)的要素が認められるとすれば、それは縄文時代の言語のなかに、すでに南島語的要素が含まれていた可能性があるとの結論を得た。物質文化においても、アイヌを北限とするものがいくつかあり(靭皮繊維による衣類、額帯運搬など)、これはそうした時代からの残存した要素とみなすことができる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 土佐方言・アイヌ語・琉球語とオーストロネシア語との比較-アイヌ語「hese」との比較を中心に-2005

    • 著者名/発表者名
      橋尾 直和
    • 雑誌名

      語文と教育 19

      ページ: 153-161

  • [図書] 琉球王国と倭寇 おもろの語る歴史2006

    • 著者名/発表者名
      吉成直樹, 福寛美
    • 総ページ数
      317
    • 出版者
      森話社

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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