2005年3月には、三つのシンポジウムに参加した。その一つは法科大学院要件事実教育研究所主催の『要件事実教育のあり方』に特別客員研究員として参加した。その二は、関西学院大学法科大学院主催の『正義は教えられるか』にパネリストとして参加し、「法科大学院と法曹倫理」と題して報告した。前者の記録は上記研究所報題巻に掲載されており、後者については、まもなく報告書が刊行される予定である。その三は、国際高等学術研究所主催シンポジウム『日本にとってのドイツ法学とは』に参加し、法制史の立場からコメントをおこなった。その記録は別記の研究発表欄(2)に公表されている。4月には、星野英一氏を囲む座談会に参加したが、座談会の記録は、別記研究発表欄(4)の付録として収められている。なお独文による論文で、ZNR誌に、「日本における近代ドイツ法史」が発表された。ドイツのみならずスイス、オーストリア、ハンガリーからも反響があったことが注目される。8・9月には、渡独して、フランクフルトおよびベルリンで、18世紀から19世紀の転換の時期におけるは法曹養成と法学教育について直接史料にあたって研究した。その成果は、科研費による研究会を開催し報告するとともに、桐蔭学園横浜大学大学院において、集中講義の際に披露した。論文としては、近く公刊される『原島重義先生・傘寿記念論文集』に掲載される予定である。ドイツ滞在中各地の大学を訪問し、約20名の教授たちと懇談し、ドイツの法学教育の改革の実情について調査した。その成果の一部は、法科大学院要件事実研究所報の海外調査特別号に発表される。秋には私法学会の要件事実教育にかんするシンポジウムに参加し、同問題についての知見を深めた。
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