研究課題
3年計画の最終年度にあたる今年度も、2回の研究会合宿を開催し、各研究分担者の研究内容を集団的に検討した。2006年9月9日〜10日に行われた第1回合宿では、「フランスにおける自由と安全」、「フランスにおけるSecurite概念の射程」、「葛飾ビラ配布事件にみる自由と安全」、「『安全・安心』の自己責任化をめぐって」、「『安全の中の自由』論と警察行政法」、「アメリカにおける令状なし盗聴と憲法」、「リベラリズムからみた『安全・安心』」といったテーマで報告が行われ、活発な討論がなされた。また、2007年1月7日〜8日に行われた第2回合宿では、「『安全・安心まちづくり』法制の展開と『安全』概念」、「『安全・安心』と少子化対策立法」、「ペルーにおける『安全』観念の特質」、「日米『安全』保障体制と『二つの法体系』論」、「ニュージーランドにおける安全と安心」、「国際組織犯罪と安全確保法制」といったテーマで報告が行われ、それぞれ検討されるとともに、3年間の研究成果をふまえた出版計画について、意見交換をした。これら2回の研究会合宿を通じて、各国に共通する事象と、それぞれの国に固有の背景事情が明らかにされると同時に、「安全・安心」に関わる多様な分野の理論的掘り下げにより、市民的安全構築の諸相と全体像が見えてきた。上記の各テーマについては、研究論文としてまとめられ、順次公表されており(11.研究発表の項、参照)、これらを集成し、5部構成(1.総論、2.「安全」の憲法理論、3.「安全」の比較憲法的検討、4.「安全」法理の多層的展開、5.市民的安全構築の展望)の研究書として出版する予定である。
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法学セミナー 625号
ページ: 8-13
ページ: 14-17
ページ: 32-35
名古屋大学法政論集 213号
ページ: 335-363
ページ: 231-253
法律時報 78巻10号
ページ: 6-12