研究課題
基盤研究(B)
研究期間の3年を通じて、各年度2回ずつの研究会合宿を行い(計6回)、研究代表者および全研究分担者が各自の担当分野について報告をし、集団的に討議・検討した。それを通じて明らかになったことを簡潔にまとめれば、以下の通りである。(1)近年、「安全」をキーワードにしつつ、国家権力が市民社会に介入し、従来保障されていた国民の権利自由に制約を加えようとしている状況は、研究対象とした各国に共通する事象である。(2)とはいえ、各国はそれぞれ固有の歴史的背景をかかえており、それに応じて「安全」確保法制の展開にも相違が生じている。(3)たとえば、アメリカ合衆国は、とりわけ「9.11テロ」の影響下で、従来の立憲主義の枠組みを変化させるほどの大きな転換が生じているのに対し、イギリスでは以前よりIRA対応の法制が整備されていたため、質的な変化は生じておらず、「たたかう民主制」を採っているドイツも、従来の枠組みを生かしながら自由と安全のバランスをとっている。(4)以上の総論をふまえながら、研究会では各論として、「安全」確保と市民的自由保障の相克、「安全」の担い手としての家族・コミュニティの再生、国際情勢の変化と安全保障観の変容などについて、検討を加えた。3年間で検討したテーマについては、すでに研究論文としてまとめられ、順次公表されており(11.「研究発表」の項、参照)、これらを集成して、5部構成(1.総論、2.「安全」の憲法理論、3.「安全」の比較憲法的検討、4.「安全」法理の多層的展開、5.市民的安全構築の展望)の研究書を出版する予定である。
すべて 2006 2004
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名古屋大学法政論集 213号
ページ: 335-363
ページ: 231-253
法律時報 78巻10号
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JOURNAL OF LAW AND POLITICS (NAGOYA UNIVERSITY) NO. 213
HORITSU JIHO VOL. 78, NO. 10
HORITSU JIHO VOL. 78, NO. 11
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神戸学院法学 34巻1号
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LAW JOURNAL OF KOBE GAKUIN UNIVERSITY VOL. 34, NO. 1
HORITSU JIHO VOL. 76, NO. 7