研究課題
基盤研究(B)
本研究は条約法を現代的な文脈に位置づけて再検討することを目的として開始された。本研究にいう条約法の現代的な再検討とは、意思主義を理論的な根拠として成立している条約法が、留保や解釈などに関してみられる現代的な法的現象をどのように包容しているか明らかにする作業である。坂元(研究代表者)は、市民的及び政治的権利に関する国際規約および国連海洋法条約に関する研究を中心に、条約義務がどのように変遷していくかにつき、解釈に関する諸問題を中心に検討し、説明を試みた。五十嵐は、いわゆる戦後補償問題の研究を進め、ハーグ陸戦条約・規則やサンフランシスコ条約を題材に、解釈のあり方を検討した。柴田は、実務経験も生かしつつ、バーゼル条約を中心とする環境諸条約および南極条約について研究を進め、条約機関の活動が条約解釈に与える影響を検討した。濱本は、市民的及び政治的権利に関する国際規約の研究及び国際投資法における二国間条約・多数国間条約の役割について,条約機関の役割と条約規定内容の変遷を中心に研究した。酒井は、担当する「国連・国際機構法」の分野について、とりわけ平和維持活動との関連において本課題に関連する事例研究を続けると共に、包括的な理論研究をまとめた。本研究においては現象の正確な把握と記述とが中心となり、その背景あるいは基盤についての理論的な研究は十分に話されていない。しかしながら、これら現象についてはその正確な把握と記述さえなされてきていなかったものであり、将来にさらに深めるべき研究の適切な基盤を構築することはできたと考えられる。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)
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