研究課題/領域番号 |
16330026
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
五百旗頭 眞 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10033747)
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研究分担者 |
伊藤 光利 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00128646)
品田 裕 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10226136)
中西 寛 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30237325)
村田 晃嗣 同志社大学, 法学部, 助教授 (10284126)
待鳥 聡史 京都大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (40283709)
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キーワード | 政治外交 / 議会 / 官僚制 / 選挙 / 基地問題 / 冷戦 / 安全保障 / 日本:アメリカ |
研究概要 |
研究の初年度にあたる本年度は、主に文献・資料収集を行い、また各自が決められたテーマに沿って研究を進めた。より具体的には、五百旗頭が戦前・戦後の日米関係における連続と非連続を検証し、簑原はアメリカを軸に、また瀧口は日本を軸にしながらそれぞれペリー来航以降の「戦前」の日米関係を考察した。他方、坂本・中西・村田は、「戦後」の日米関係に焦点を当て、占領期、日本の国際社会への復帰、経済復興、貿易摩擦、日米同盟などの重要なテーマに関する調査を行った。以上が、日米関係の外交的な側面を中心とするマクロな研究を進めている外政グループであるが、戦前・戦後の双方を同時に検証することによって、今までになかった体系的な日米関係の姿が浮かび上がりつつある。 次に、内政面を中心にミクロな研究を進めているのは、伊藤・品田・建林・待鳥の内政グループであり、「日米関係に影響を及ぼす諸要因」という、より子細な観点に基づいて研究を進めている。その要因(テーマ)とは、伊藤が、政治的リーダーシップと団体、品田が世論・政治意識および選挙、建林が日本の国際政治と官僚制、そして待鳥がアメリカの国内政治と議会である。従来の日米関係の研究では、外交・経済・安全保障という外的レンズを用いて考察されることが多いが、内政グループは日米の国内政治的要因をレンズとして用い、内から外への出力に重点を置いているため、外政グループの研究と併せることによって、多元的・重層的な日米関係の構図が見えつつある。最後に、木村は、アジア(とりわけ韓国)要因が日米関係に及ぼした影響を検証しており、第三国という枠組みから日米関係のダイナミズムを解き明かしつつある。 上記した個別の研究と別に、研究分担者が全員参加する研究会を四回ほど行い、それぞれの研究に関する進捗状況を報告するとともに、学識者を招聘して日米関係に影響を及ぼした重要な出来事(日露戦争、松岡外交、占領政策、貿易摩擦等)に関する専門的な知見を得た。初年度であるがゆえ、公刊された論文こそ少ないが、二年目に向けて順調な滑り出しをきったと考える。
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