研究課題
平成17年度は、9月2日から4日、北海道大学において、国際シンポジウム「植民地台湾をめぐる日本・中国・南洋--帝国・アイデンティティ・ネットワーク」を開催した。そのため、プロジェクト参加者はそのための論文執筆準備とシンポジウムへの参加に専念することとなった。資金難のため、人文社会科学振興プロジェクト「帝国とネットワーク--アジア広域秩序の解明」(籠谷直人代表)、科研費基盤研究A(1)「地球市民社会の政治学」(中村研一代表)との共催として頂き、北海道大学高等法政教育研究センターの後援を受けた。シンポジウムには、日本各地のほか、中国・台湾・香港・シンガポール・オーストラリア・英国(所用によりペーパー参加)から第一線の研究者が集結し、日本の台湾植民地統治を中心に、台湾と華南との関係、華南・台湾と南洋華僑との関係、日本のアジア主義と台湾・中国中央・華南等との関係、日本の台湾統治システムや南進との関係、日本帝国内部の構造と各地域との関係などについて、充実した議論を繰り広げた。これまで中国研究などにおいても手薄であった「華南」という地域が取り上げられたこと、「華南」「南洋」「亜細亜」といった地域に関する概念の重要性がその時代環境や政治経済的実態と共に浮かび上がってきたこと、それらとナショナリズムや帝国の問題が密接に結びついていることなど、多くの新しい論点が提示され、それらが日本の南進という軸によって貫かれる大変画期的なプロジェクトとなった。現在、すでにそのうちのいくつかの論文は研究紀要などに掲載され、他の多くのものはひとまとまりとして、研究雑誌または単行書として最終年度に刊行できるよう、その準備を進めているところである。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (12件) 図書 (2件)
(坂野潤治他編)憲政の政治学(坂野潤治他編)(東京大学出版会)
ページ: 239-270
岩波講座 アジア・太平洋戦争 第4巻:帝国の戦争経験(岩波書店)
ページ: 3-30
外交フォーラム 204号
ページ: 22-27
中央公論 120巻7号
ページ: 60-71
年報 日本現代史 10号
ページ: 1-21
立教学院史研究 3号
ページ: 4-39
(SUGIHARA, Kaoru, ed.)Japan, China, and the Growth of the Asian International Economy,1850-1949(SUGIHARA, Kaoru, ed.)(Oxford Univ.Press=
ページ: 145-176
世界経済体制下的民国時期経済(張東鋼主編)(中国財政経済出版社)
ページ: 57-77
GAIKO FORUM Summer 2005
ページ: 37-46
JAPAN ECHO Vol.32, No.5
ページ: 16-22
アステイオン 63号
ページ: 34-59
Cuadernos de Japon Vol.18, No.13
ページ: 20-27