研究課題/領域番号 |
16330033
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
DAVID Askew 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 助教授 (90343722)
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研究分担者 |
金丸 裕一 立命館大学, 経済学部, 助教授 (80278473)
北村 稔 立命館大学, 文学部, 教授 (50115698)
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キーワード | 南京 / 南京事件 / 南京大虐殺 / 日中戦争(1937-1945) / 歴史と神話 / 歴史と経験 / 歴史学方法論 / 日中関係 |
研究概要 |
本年度は、第一に多種多様な史料の蒐集に専念した。これらの史料の中でもとりわけ重要なものを史料集として出版する予定であるが、学生アルバイトを使って、史料のタイピングなどの作業にも着手した。第二に個々の研究プロジェクトにも精魂を傾けてきた。アスキューは2005年3月末に、アメリカはシカゴにて開催されるアジア研究学会の大会で南京事件を論議するパネルの一員として、文学作品における南京事件について発表をする予定である。この発表の準備に取り掛かっている。金丸は、主に上海と南京の文書館及び台北と北京における資料の分析を継続している。北村は、外務省外交史料館を中心に日本語の一次史料を再点検した。 第三に、共同研究の成果として、英文のNanjing,1937-38を出版した。アスキューは英語・中国語・邦語における南京事件の研究史を追究しそれぞれの諸相・特徴・異同を明らかにした。また、もう一つの論文で、埋葬記録を徹底的に調べて、南京にてどのような組織が、報酬を幾らもらって、どのくらいの死体を実際に埋めたかを明らかにした。金丸は、日本、中国、そして台湾における、図書の略奪に関する記述を比較検討して、一種の神話の形成を日本側の論客や新聞記事に求めることができるということを明らかにした。北村は、一方のティンパリーの言説と、他方の中国側の国民政府のプロパガンダおよび東京裁判との関係を追って、南京事件について1938年に早くも英語で出版された著書は実はプロパガンダの産物であったことなどを明らかにしている。
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