研究概要 |
本研究は中国における市場経済の進展を理論,企業システム,経済政策,金融システムの4つの側面から解明するものである。 本年度は,5月,6月,7月と調査に関連するテーマで,研究グループ以外の国内外の研究者,実務家を講師として招き研究会を行った。この成果を踏まえ,8月に中国調査についての研究打ち合わせを行い,8月27日から9月16日まで中国調査を行った。本年度の中国調査は三つの部分に分けられる。まず,8月27日から31日まで内モンゴル自治区オルドス市の調査を行い,9月1日から3日は中国人民大学で開催された国際カンファレンスに参加し,グローバリゼーションの進展と中国の現状についてアメリカ,イギリス,韓国,中国の研究者と意見交換を行った。9月4日からどう16日にわたり,北京,上海において,主として金融機関の調査を行った。 上記の交流・調査において,1)地方都市の経済状況,2)社会主義市場経済の定義,3)中国経済の現状とその課題,4)新たな金融システムの構築などが中心的に議論された。1)内モンゴル自治区の調査では,豊富な資源以外には基幹産業がなく,現時点では将来展望が開き難い点が明らかになり,2)国際コンファレンスでは主として中国経済の現状について多面にわたり意見交換を行い,3)証券市場の整備を中心に行った北京,上海での金融機関の調査では,改革開放政策の展開の中で証券市場を整備していくことの必要性と困難性が明らかになり,そのことと関連して,社会主義市場経済の把握について中国の研究者との意見交換が行われた。 11月に,上記の中国調査の報告を中心に研究会をおこない,研究グループそれぞれに成果の共有がはかられた。 その後は,各自研究を深化させるとともに,メールを通じて,本年の成果のとりまとめ,来年度の研究計画の具体化を検討した。
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