研究課題/領域番号 |
16330036
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
深貝 保則 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (00165242)
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研究分担者 |
栗田 啓子 東京女子大学, 文理学部, 教授 (80170083)
高 哲男 九州産業大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90106790)
中山 智香子 東京外国語大学, 大学院地域文化研究科, 助教授 (10274680)
姫野 順一 長崎大学, 環境科学部, 教授 (00117227)
矢後 和彦 首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (30242134)
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キーワード | 19世紀末 / 戦間期 / 金融決済機構 / 産業合理化 / 社会統合 |
研究概要 |
19世紀末〜戦間期の経済思想についてイギリス、ドイツ、フランスを中心に比較した第1年度の研究集会を受けて、第2年度においてはアメリカおよび日本をも取り上げ、また、国際的な金融決済機構の整備を含めて検討をする研究集会を開催した。2005年5月に、制度学派研究で知られるマルコム・ラザフォード教授(カナダ、ヴィクトリア大学)を招き、滞日中のロジャー・サンディランズ教授(イギリス、ストラスクライド大学)の参加も得て、上記の目的の研究集会を開催した。これらの研究者との討論を通じて、ドイツからの経済学の移入を行なっていたアメリカ経済思想が第1次大戦前後において産業の効率化、合理化を図るなかで、ブリテンの経済思想の批判的摂取へと受容の対象を切り替えていく状況を明らかにした。また、1930年前後からの国際的な金融秩序の再編のなかで展開された、国際的な決済機構の整備をめぐる各国のストラテージの錯綜や、とくにニュー・ディール期アメリカの金融政策を支える理論的枠組みの模索を検討した。 なお、本研究課題の対象時期にとっては、社会構成員たちの気質の変化と社会を統合していくプログラムとの関わりも重要なテーマである。そこで、たとえば、石油化学工業の登場などによって生じた、生活様式の変化などをも素材に、1920年代にアメリカで顕著に見られる大衆消費社会傾向とこれに対しての文化的統合などをも含めて、第3年次以降の検討プログラムに組み入れたい。 第2年度のいま一つの作業として、近年の歴史研究、思想研究のなかでも注目されつつある「帝国」の意味をめぐって、ブリテン帝国と経済思想との関わりを検討するための研究集会を開催した。ピーター・ケイン教授(イギリス、シェフィールド・ハーラム大学)を招き、他の研究プログラムで来日したアンソニー・ハウ教授(イギリス、イースト・アングリア大学)の参加も得て、検討を行なっており、これはやがて英文の論文集として展開することになる。
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