研究課題/領域番号 |
16330036
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
深貝 保則 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (00165242)
|
研究分担者 |
栗田 啓子 東京女子大学, 文理学部, 教授 (80170083)
高 哲男 九州産業大学, 大学院経済学研究科, 教授 (90106790)
西沢 保 一橋大学, 経済研究所, 教授 (10164550)
姫野 順一 長崎大学, 環境科学部, 教授 (00117227)
矢後 和彦 首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (30242134)
|
キーワード | 19世紀末 / 戦間期 / 経済社会 / 経済政策 / 国際比較 |
研究概要 |
研究課題の具体化を図るために、下記3点を中心に具体的な検討を進めた。(1)現代の福祉国家の変容のもとにおいて社会的なネットワーキングのあり方が問われ直されている。そこで、本研究課題が守備範囲とする19世紀末以降の文脈で、各国の社会編成においていかにウェルフェアが理解されたのかをめぐって検討を行なった。実証主義的なヴィジョンを底流に都市の居住空間を編成した19世紀末〜20世紀初頭のフランスについて、栗田が検討を進めている。また、イタリアのリソルジメント以降ムッソリーニに至る動きをM.グゥィディ(ピサ大学、イタリア)が、J.S.ミル以降ボブハウスに至るウェルフェアと社会的正義の概念の変容について深貝が報告を担当するワークショップを開催した。(2)ブリテン帝国をめぐる歴史ヴィジョンは近年、大きく変化をみせている。このもとで福祉国家型の経済社会構想を意味づけ直すために、M.ドーントン、E.ビアジーニ(ともにケンブリッジ)とともに、研究者組織メンバー複数名を報告者とするワークショップを開催した。なお、この内容はブリテン帝国と経済思想を主題的に扱う英文論文集として編集中である。(3)19世紀終盤の経済社会の構想において有機的社会観の役割は重要なものであった。そこで、D.ワインシュタイン(ウェイクフォレスト大学、アメリカ)を報告者として、英米の有機的社会観と進化論的なイメージとの関わりを検討するセミナーを開催した。 以上のような来日もしくは招聘した外国人研究者との3回の研究集会を通じた積み重ねのうえで、2007年度(最終年度)における本格的な研究集会のための内容準備を進めるとともに、目下、本研究課題に関連した日本語の論文集を編集中である。
|