研究課題/領域番号 |
16330041
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中村 良平 岡山大学, 経済学部, 教授 (20172463)
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研究分担者 |
肥田野 登 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (90111658)
山村 能郎 明治大学, 大学院グローバルビジネス研究科, 助教授 (60284353)
高塚 創 香川大学, 大学院地域マネージメント研究科, 助教授 (50304572)
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キーワード | ヘドニックモデル / 集積の経済 / 新経済地理 / オフィスレント / 生産関数 / 価格形成 |
研究概要 |
集積の経済と不動産の空間的価格分布の関係に関して、中間投入も考慮に入れた生産関数のモデルを構築し、製造業2桁分類で推定を行った。その結果、後方連関効果と地域特化の経済が有意な効果をもたらしていることが明らかになった。また、中心部におけるオフィス賃料に関しては、1980年代からの長期系列データを収集し、その価格形成要因のメカニズムを空間VARモデルにて推定を実施した。(中村) 本年度は、昨年検討したヘドニックアプローチの基本となるキャピタリゼーション仮説についてさらに2つの視点から数値解析の手法によって考察を進めた。第1点は異質な消費者を考慮した揚合に一致定理がどうなるかである。効用関数のパラメータにワイブル分布を仮定して検討した結果、同質の場合とは異なり影響を受ける面積が小さくなると過大評価が大きくなることが示された。第2点は同質な消費者の場合の過大評価をあらわす、過大評価を推定することが可能かを検討した。(肥田野) 昨年度に引き続き、東京城南地区住宅系および都心商業業務系の土地取引データーを利用したヘドニックアプローチに基づく土地資産価格の推計を試みた。特に、交通利便性を表すアクセシビリティについてヘドニック関数推定対象地区におけるゾーニングを細分化した最短経路探索モデルを再構築するなどヘドニックモデルの精度向上を図っている。また、ヘドニックモデルを利用した不動産価格インデックスを構築するとともにインデックスの妥当性に関する検討を行っている。(山村) 都市費用(住宅費用,通勤費用)を明示的に考慮した二地域経済地理モデルによって財の輸送費用が異なる3産業の立地パターンを理論的に分析した。その結果、産業の分散は通勤費用が十分大きいか輸送費用が十分小さい場合に生じることが分かった。ただし、前者の場合は全ての産業が同様に分散するのに対し、後者の場合は地域特化的に分散することが明らかになった。また、輸送費用が大きい産業よりも小さい産業の方がより多く大市場に立地する場合が見られた。これは一見直観に反するが、厳しい競争を回避するためにこのようなことが起こりうることが分かった。(高塚)
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