研究課題/領域番号 |
16330041
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用経済学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中村 良平 岡山大学, 大学院社会文化科学研究科, 教授 (20172463)
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研究分担者 |
肥田野 登 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (90111658)
山村 能郎 明治大学, 大学院グローバルビジネス研究科, 助教授 (60284353)
高塚 創 香川大学, 大学院地域マネジメント研究科, 助教授 (50304572)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | 期待形成 / オフィスレント / ヘドニックアプローチ / アクセシビリティ / キャピタリゼーション / 取引価格 / 都市密度 / 人材誘致 |
研究概要 |
中村は、我が国の不動産資産市場のデータを用いて、バブル期・バブル崩壊後の価格変化を期待形成の観点から計量経済学的に検証をおこない、バブル崩壊後のリスクプレミアムの大きさを検証している。また、オフィスレントに関する時系列・横断面データを用いて、その不動産価格形成の要因に関して計量経済学的観点から分析をおこなった。平均的なオフィス賃料のインデックスを求め、当該インデックスに基づき、供給者サイドの提示賃料について長期的に影響を与える要因として、コストを意味する価格と、需要と供給の均衡した結果としてその年において増加した稼働床面積についてVAR分析を行なった。また、それぞれをペアーとしてグレンジャーの意味においてその因果性を検討した結果、オフィス賃料は、過去の価格および過去の稼働床面積の変化に大きく影響を受けて決定されていることが判明した。 肥田野では、3つの成果が得られた。まず不動産価格形成と密接に関係するヘドニック分析におけるキャピタリゼーション仮説の成立可能性を理論的解析的に分析し、過大評価の程度を明確にしたこと。第二にヘドニック価格関数で重要な役割をはたす、アクセシビリティ算出のための、最小一般化費用経路を求める手法を開発し、その有効性を示した。第3にヘドニック分析を用いて、住宅市場における、効率性仮説を東京の都心部データを用いて明らかにしたことである。 山村は、実際の土地取引データを利用したヘドニック関数を推定している。その際、通利便性を表すアクセシビリティ指標の作成や周辺環境要因等に関する現地調査を行い、地価形成要因に関する分析を行っている。また、推定されたヘドニック関数を利用して、代表的な鑑定データである公示地価のサンプルポイントにおける実勢価格を推定し、実勢価格と公示地価と格差について論じている。 高塚(2006)では都市経済学的な側面から中心市街地活性化の意義を検証することを目的とし、都心部の活動密度を高めることがサービスの質を高め、需給拡大をもたらすという仮説モデルを提示し、その検証を行った。その結果、仮説が支持されたのば、専門的なサービス業や飲食業などに限られた。これらの業種は知識依存度が高く、企業間外部効果が期待される上、需要者の多様性や街の賑わいがサービスの質を向上させる効果もある業種と考えることができた。
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