研究課題/領域番号 |
16330045
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
橋本 昭一 関西大学, 経済学部, 教授 (60067684)
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研究分担者 |
森岡 孝二 関西大学, 経済学部, 教授 (50067716)
中澤 信彦 関西大学, 経済学部, 助教授 (40309208)
小田 淑子 関西大学, 文学部, 教授 (80169317)
安武 真隆 関西大学, 法学部, 助教授 (00284472)
杉本 貴志 関西大学, 商学部, 助教授 (90319608)
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キーワード | ビジネス・エシックス / コンプライアンス / イスラーム / 協同組合 / 古典派経済学の倫理観 / フランス啓蒙思想 / リコール隠し / 日本的経営 |
研究概要 |
1990年代以降、欧米において数多くのジャーナルが、ビジネス・エシックスbusiness ethicsをタイトルに組み入れて相次いで発刊された。日本でもこの方面の研究者は増加しつつある。他方において、欧米におけると同様、日本においても、ビジネス・エシックスに違反する企業行動は厳しい批判に晒されている。雪印食品事件で明らかになったBSE騒動と関連した産地偽装問題、三菱自動車で露骨なかたちで表面化したリコール隠し問題など例を挙げれば切がないほどである。これらに関連して、企業内セクハラ、内部監査制度の徹底、外部評価の導入、情報開示、コンプライアンス、内部通報者保護などビジネス・エシックスという言葉で内包される問題は多岐にわたり、それらのいくつかは、慣行的・伝統的な日本的経営の基盤や制度とそれを支える価値意識の再考を促すものである。 この研究グループでは参加者の専門領域の知見を生かしながら、欧米のこの問題に関する思想展開を通観するための研究報告会を中心にしながら、同時にドイツ人(B.シェフォールト教授)カナダ人(W.K.キャロル教授)、日本人の専門研究家(高巌教授)を招き、上に列挙したような諸問題についての新動向などについて発表してもらい、共通認識の向上を図った。研究テーマに掲げた実証的作業については、日本人経営者を招いた座談会や在阪神企業への具体的なアンケート調査なども計画しているが、今年度はその準備作業をいくつか行った。 さらに国際的な比較研究という意味で、イスラームの専門家を研究グループに加え、イスラーム世界のビジネス・エシックスないし経済倫理が、欧米主導の価値意識とどのように協同できるかを検討した。なおすでに株主代表訴訟(運動)などで指導的な役割を果たしている森岡は、多くの関連論文などの執筆をつづけ、研究代表者はアメリカにおけるビジネス・エシックス研究の動向に関連したいくつかの研究発表を行っている。
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