研究課題/領域番号 |
16330045
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
橋本 昭一 関西大学, 経済学部, 教授 (60067684)
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研究分担者 |
森岡 孝二 関西大学, 経済学部, 教授 (50067716)
中澤 信彦 関西大学, 経済学部, 准教授 (40309208)
小田 淑子 関西大学, 文学部, 教授 (80169317)
安武 真隆 関西大学, 政策創造学部, 教授 (00284472)
杉本 貴志 関西大学, 商学部, 教授 (90319608)
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キーワード | コンプライアンス / CSR / 企業統治 / ビジネス・エシックス / 株主オンブズマン / 労働時間規制撤廃 / イスラームの倫理 / 格差社会 |
研究概要 |
1920年代、30年代にアメリカでブームとなった「ビジネス・エシックス」研究は、大不況と第2次世界大戦の間に忘れられた存在であったが、1970年代以降、ビジネス・エシックスは新しい概念とともに復活した。コンプライアンス、ステークホルダー、CSR、SRI、企業統治(コーポレート・ガバナンス)、持続可能性、ホイッスル・ブローイング、内部告発(者擁護)などがそれである。それぞれの概念がどのような経緯の中で重要視されてきたかを橋本が中心になって学史的整理を行うとともに、キリスト教的背景を持つ社会における倫理意識とイスラーム社会における倫理観の相違について、小田が宗教学の立場から比較整理を行った。杉本は私的企業体の形式をとらない事業体である協同組合が、イギリスや日本でビジネス・エシックスの理念をどのような形で取り入れようとしているかについて現状分析を行ういくつかの論稿をまとめ一部は外国学会で報告している。このように一般的なビジネス・エシックス論が未だ立ち入っていない領域にまで踏み込んで、研究を深化させるとともに、関係機関との連携を図った。森岡は、日本やアメリカにおける格差社会化の諸現象を分析し、労働時間規制撤廃の法制化が生み出すであろう弊害について警告を鳴らした。それらの一部は『株主オンブズマン・アンケート調査結果総覧』(関西大学経済・政治研究所 調査と資料 第106号 2008)として公表された。安武は古代ギリシャにおいて公共工事の発注がそのようなルートで行われたかという研究テーマで、ビジネス・エシックスに関する配慮は古くから国家にとって重要な課題であることを示した。各研究分担者はそのような研究成果を成果報告書所収論文執筆に際して相互利用することにより、共同研究の成果を公表した。
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