研究課題/領域番号 |
16330056
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
高 龍秀 甲南大学, 経済学部, 教授 (40234687)
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研究分担者 |
下谷 政弘 京都大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90066837)
黄 孝春 弘前大学, 人文学部, 助教授 (10234684)
今井 健一 アジア経済研究所, 地域研究第1部, 研究員
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キーワード | 持株会社 / 金融持株会社 / 国際情報交換 / 日本:韓国:中国 / 財閥 / 国有企業改革 |
研究概要 |
まず1997年の解禁以降に設立された日本の持株会社の事例を収集・分析し、持株会社には、(1)経済力集中機能と、(2)組織再編機能があること、持株会社の設立には、(1)みずほホールディングなどの業界再編型と、(2)帝人などの組織再編型があることが解明された。また、日本で持株会社が解禁されたことには、経営不振に陥った金融機関を再編する手段としての切迫した状況があったといえる。 1999年に解禁された韓国の持株会社では、ウリ金融持株会社と新韓金融持株会社という金融持株会社と共に、大手企業では唯一LGグループが持株会社を設立した。最も早く設立されたウリ金融持株会社の事例を見ると、日本と同様に経営不振の金融機関を再編する手段として持株会社の設立が加速化されたといえる。また、LGグループはLG電子やLG化学など多くの業種にまたがる企業を子会社にした持株会社を設立し、この持株会社の株式を創業者一族が圧倒的に所有支配するという点で、日本の持株会社と異なっている。 中国の持株会社には、(1)事業会社型(母体会社の事業を中核事業として維持する)、(2)投資会社型(広範に多角化し母体会社が純粋持株会社化する)、(3)総公司型(国有企業を所有する行政機関が純粋持株会社化する)というタイプに分類できる。中国における持株会社化の背景には、(1)資金調達の必要性、(2)広範な多角化の必要性、(3)国有企業の組織再編という点が指摘できる。 以上のように平成16年度の研究により、日本・韓国・中国における持株会社の法制度、典型企業の事例、持株会社の分類などの研究を行った。この研究をふまえて、17年度には、現地調査により、持株会社関係者へのヒアリング、より詳細な内部組織の研究を行う予定である。
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