研究課題/領域番号 |
16330066
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研究機関 | 九州国際大学 |
研究代表者 |
清水 憲一 九州国際大学, 経済学部, 教授 (30140833)
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研究分担者 |
長島 修 立命館大学, 経営学部, 教授 (60121612)
迎 由理男 北九州市立大学, 経済学部, 教授 (70125665)
池田 憲隆 弘前大学, 人文学部, 教授 (60183159)
時里 奉明 筑紫女学園大学, 文学部, 助教授 (80320373)
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キーワード | 官営製鐵所の創立事業 / 古典的研究の再検討 / 八幡製鐵所の歴史的性格 / 官業財政 / 原料借款 / 兵器用鋼材生産 / 社宅 |
研究概要 |
「本年度の研究実施計画」に記したように、共同研究3年度にあたる本年度は、最終報告を念頭に置きながら、中間総括として学会全国大会でパネル・ディスカッションを実施した。この準備とその後のまとめ作業を中心に運営した。 パネル準備として、主に次の2つに取り組んだ。(1)学会パネルおよび最終報告を踏まえ、7月22日、九州産業大学での経営史学会西日本部会で、迎由理男「製鉄原料借款と漢冶萍公司」、清水憲一「官営八幡製鐵所創立期における耐火煉瓦」を報告した。(2)8月に北九州で研究会をもった。ここでは、パネルでどのような内容を報告するかを論議した。各人の報告とパネル・コメンテーターの奈倉文二獨協大学教授の質疑が中心であった。パネル報告の理解を促すために、(1)製鐵所文書を利用したこれまでの本共同研究の研究成果を明示すること、(2)創立事業における基本文書を提示すること、などを確認した。なお、長島修は体調不良のため、研究会およびパネルは参加できなかった。しかし、長島は「官営八幡製鉄所の確立:創立費予算を中心に」を『九州国際大学経営経済論集』に掲載し、いわば紙面参加の形となった。 9月15日、関西大学で開催された社会経済史学会第75回全国大会でパネル・ディスカッション「官営八幡製鉄所創立期の再検討」は、司会清水によって、以下の4報告、奈倉文二氏のコメント、そして質疑というかたちで運営された。報告は、(1)清水「問題提起:官営八幡製鐵所創立の諸段階とその特質」、(2)迎「漢冶萍公司の経営と日本市場」、(3)池田「軍工廠の兵器用鋼材生産--日清・日露戦間期における陸海軍と製鐵所」、(4)時里「製鐵所創立期の生活保障制度--住宅政策を中心に」、そして奈倉氏のコメントと会場からの質疑は、(1)創立期を第一期拡張までとすることの意義、(2)製鐵所の歴史的性格を「軍需と工業」とする場合の研究史上の意義、およびその場合には生産と販売の実態を踏まえること、(3)同一の原料を使用しながら、八幡と漢冶萍では技術的な違いがあったのか、(4)「すさまじい離職率」は創立期固有の問題か、(5)厚生施設は他工場とどのように異なるか、先進国の影響は?などであり、これらについては、最終報告に活かしていくことを確認した。 上記を踏まえて、その後は各人の最終報告の作成作業となった。 各人の関連研究は、下記の「研究発表」に記載しておく。また、地元新聞である門司新報の八幡製鐵所関係記事目録は、清水・時里を中心に作業が進行し、最終年度に完成が見込める状況となった。
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