研究課題/領域番号 |
16330066
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済史
|
研究機関 | 九州国際大学 |
研究代表者 |
清水 憲一 九州国際大学, 経済学部, 教授 (30140833)
|
研究分担者 |
長島 修 立命館大学, 経営学部, 教授 (60121612)
迎 由理男 北九州市立大学, 経済学部, 教授 (70125665)
池田 憲隆 弘前大学, 人文学部, 教授 (60183159)
時里 奉明 筑紫女学園大学, 文学部, 准教授 (80320373)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2007
|
キーワード | 官営八幡製鐵所 / 製鐵所文書 / 創立事業 / 創立案 / 和田意見書 / 第一期拡張 / 海軍省所管案 / 技術的適応 |
研究概要 |
九州国際大学が所蔵している通称『製鐵所文書』を利用しやすいCD-ROM版とし、その分析をべースとして、官営八幡製鐵所研究の古典的文献といわれてきた三枝博音・飯田賢一『日本近代製鉄技術発達史』(1957年)を批判的に検討し、官営製鐵所創立期について再検討することを研究課題とした。4年間の期間中、前半は製鉄所創立構想に重点を置いていたが、中間報告としての社会経済史学会シンポジュームに向けた準備段階から創立事業の分析に重点を移行していった。この間、「製鐵所文書詳細目録(創立期)」、「製鐵所関連議会議事録集」などを作成して共通の研究資料とした。従来の研究に対して、共同研究を通して明らかにした主要な諸点は次のようになる。 1.「創立期」とは、国家財政の創立費支出によって官営製鐵所の創立事業が遂行された時期として、具体的には「創立案」策定から第一拡張までと明確にし、その諸段階の特質を整理した。このことを通して、創立事業が設計変更をもたらした「和田意見書」の第1・2期事業の完成にあったことを明らかにした。 2.官営製鉄所の最初の建設構想であった「海軍省所管案」の策定過程を明らかにした。 3.「創立案」の技術的基礎に国内資源の砂鉄を原料とする「製鋼新法」があり、その独自性と同時に、それが「鋼の時代」における過渡的な性格をもたらした。 4.初期の高炉操業の「失敗」が、技術的要因以上に財政的=経済的要因に制約されていたこと。 5.創立事業によって、質量的に不十分さはあっても、西洋技術の導入に対して、短期間の「技術的適応」として評価する。
|