研究概要 |
平成17年度は以下の調査研究を実施した。 デザインマネジメントが実行されていなかった日産自動車で車をデザインしていた藤戸が,実行できている企業を調査し,日産とどこが違うかを明らかにする.藤戸は初代シルビア,マーチなどをデザインし,カーオフザイヤーを通算10度受賞しているため,現実に機能するかどうかを判断することができる.p.5で述べたように,藤戸はすでにブランドイメージの高いヨーロッパ企業のBM担当者に各社1人づつに対して探索的なインタビューを行っている.本研究では,探索的に行った1)と2)の成果から,あらためてインタビューする対象を追加する. 1)フォルクスワーゲングループのピエヒ会長:VWグループは,フォルクスワーゲン社(330万台),アウディ社(60万台),セアット社(50万台).シュコダ社(40万台)からなるが,ピエヒ会長就任後,いずれもブランド力を高めている.ピエヒ会長が行った各社のBM,そしてグループ全体のBMについてインタビューを実施 2)得られた知見をブランドイメージの低い日本企業に対して適用し,どのように実行が阻害されていくかを明らかにする.P.5で述べた(株)松下電器産業パナソニックデザイン社,ベアリングメーカー(株)中西金属工業、(株)ソニー、(株)東芝、(株)トヨタ、(株)シャープ、(株)ノキア等の企業のインタビューも実施しまとめた。 3)阻害されることに関する知見を踏まえた上で,あらためて,BMに成功している企業にインタビューを行い,日本企業の組織に埋め込める形でのBMの知識を抽出する. 以下の研究分析を行った。 (1)ソニーのデザインセンター:ソニーは「ソニーらしいデザイン」を,強力な権限を持ったリーダーによってではなく,組織のプロセスによって実現していることが明らかになった(P.6-4)-(2)).その具体的な方法を明らかにした. (2)日産のゴーン社長:日産社長就任以降の活動の過程で気づいたことのなかで,3)に関連することがらについて、関係者にインタビューを実施した。 (3)AUDIのDMの実態をあきらかにした。 (4)VOLVO,ノキアのデザインとブランドの関係を分析した。
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