研究課題/領域番号 |
16330075
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
高木 晴夫 慶應義塾大学, 大学院・経営管理研究科, 教授 (20118962)
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研究分担者 |
出口 弘 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (60192655)
木嶋 恭一 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (10134826)
寺野 隆雄 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (20227523)
根来 龍之 早稲田大学, 商学部, 教授 (70189364)
奥田 栄 人間環境大学, 人間環境学部, 教授 (10160805)
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キーワード | エージェント・ベース・モデリング / エージェント・ベース・シミュレーション / 経営組織デザイン論 / リーダーシップデザイン論 / 創発的ボトムアップ原理 |
研究概要 |
本研究の目的は、エージェント・ベース・モデリングによる経営組織のデザイン論の構築である。この研究の背景には、インターネット社会における経営組織が環境変化の激しさに対応するために公式度の低い「有機的組織」の形態をとるようになったことがある。この特性は、社会・組織やその構成員を「内部状態をもつ自律的なエージェントの集団」もしくは多主体複雑系(ポリエージェントシステム)として考察することで初めて理解できる。この目的に向かう研究活動を4年間行い、その最終年度として、次のような5つのカテゴリに分けられる研究成果としてとりまとめた。(1)エージェント・ベース・モデリングの理論的基礎に関する研究。これにより主体の相互作用と創発現象に特徴づけられるモデリングの理論的基礎を明らかにした。(2)その応用原理に関する研究。この研究ではエージェントの相互作用とその結果発言する巨視的な現象との間に存在するミクロ・マクロ・リンクに注目した。(3)組織と人的資源のマネジメントに関する研究。ここでは機械的組織から有機的組織への変換過程を分析し、多様性・相互作用・淘汰のシステム論的考察を行った。(4)科学技術の展開と社会経済構造に関する研究。これにより多主体の相互作用の変容という観点から我が国の科学技術の展開と社会経済構造の変化を考察した。(5)新しい社会システム理論に関する研究。特にはコンピュータエージェントと人間とが同等の立場で参加するハイブリッド・シミュレーションの重要性を指摘した。(6)エージェント・ベース・モデリングの経済・経営・社会問題への適用に関する研究。最後に、これらの研究成果を社会に向けて報告するためのシンポジウムを開催した(シンポジウム『エージェント・ベース・モデリングによる経営組織のマネジメント』、平成19年12月22日(土)13:30-17:00、早稲田大学国際会議場)。
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