研究課題/領域番号 |
16330078
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
塚本 一郎 明治大学, 経営学部, 教授 (90274571)
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研究分担者 |
西村 万里子 明治学院大学, 法学部, 教授 (00308074)
まつ永 佳甫 大阪商業大学, 総合経営学部, 准教授 (60325561)
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キーワード | 非営利組織 / コミュニティ・ビジネス / 社会的企業 / 社会的企業家 / パートナーシップ / PPP |
研究概要 |
国内調査としては、7月から8月にかけて、首都圏でコミュニティ・ビジネス(以下、CB)支援に取り組む関東経済産業局、関西圏では寝屋川あいの会などCB3団体を訪問し、ヒアリング調査を実施した。その結果、日本のCBと呼ばれている団体には、共通して地域課題の解決といった社会的イノベーション動機が見出せる一方、事業を持続的に発展させ拡大していく視点、すなわち企業家的側面はきわめて弱いということが明らかとなった。CBに企業性・市場性が弱いことが明らかになったので、社会的企業として注目されている団体に対して、12月から2007年2月にかけ、首都圏を中心にヒアリング調査を実施した。NPO法人さなぎ達など4団体である。これらの組織に共通する特徴として、市場的資源と非市場的資源、そして、非営利と営利の組織形態を組み合わせて活動している「ハイブリッド性」を見出すことができた。海外調査としては、9月に渡英し、社会的企業として、ハックニー・コミュニティ・トランスポート(HCT)など4団体を訪問した。そして、2007年3月には、渡米し、ニューヨークの社会的企業として、ハウジングワークスなど3団体を対象に調査を実施した。これらの英米の社会的企業調査から得られた知見は、成功する社会的企業に共通する特徴として、地理的限定性を超えて広範な地域で事業を展開していること、多様な組織形態を組み合わせたグループ経営を行っていること、社会的企業支援の社会的インフラストラクチャーが整備されていること、などが見出された点である。 このように、18年度は、比較研究を行うことで、「営利」と「非営利」のハイブリッド組織としての社会的企業の組織特性と持続可能な発展に向けた論点を明らかにすることができたと考えている。
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