研究課題/領域番号 |
16330080
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
根来 龍之 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (70189364)
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研究分担者 |
国領 二郎 慶應義塾大学, 総合政策学部, 教授 (00255580)
末松 千尋 京都大学, 経営管理大学院, 教授 (80335231)
井上 達彦 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (40296281)
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キーワード | 企業経営 / 経営情報 / ビジネスモデル / 資源ベース戦略論 / モジュール化 |
研究概要 |
2007年度は、本研究の最終年度にあたり、ビジネスモデル概念を再吟味する研究、日本発のビジネスモデル探索のまとめ的著作を各自が発表した。 根来龍之は、(1)ネットビジネスの歴史的構造に関する論文、(2)情報システムの経路依存性に関してビジネスシステム論の観点から研究する論文、(3)資源ベース戦略論の動学化に関する論文を発表した。(1)は無料モデルの研究、(2)は情報システムのビジネスモデルの競争優位への影響力の研究、(3)は時系列のビジネスモデル変化のメカニズムを対象とするものである。 国領二郎は、地域情報化に関して、「プラットフォーム」と「創発」をキー概念とする図書を刊行した。この著作において、「第三者間の協働の基盤となる言語空間」と定義するプラットフォーム概念の具体的含意について、事例調査をふまえた理論展開を図った。 末松千尋は、ここ数年取り組んできた京様式経営に関する研究を国際学会で発表した。この研究は、モジュール化への対応に着眼した京都発ベンチャー企業のビジネスモデルの解明である。 井上達彦は、ビジネスシステム論の新しい視点のまとめを試みた。これは、ビジネスシステム研究のバックボーンを価値連鎖として定め、そこに制度論的視点を盛り込むことの有効性を議論するものである。ここで、「制度論的視点」とは、「価値創造と配分(共有)に関するルールの束」という切り口を意味する。 全体として、2007年度において、本研究の一定のまとめを行うことできた。そして、この研究の今後の方向性として、プラットフォーム概念の研究への深化が示唆されることになった。
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