研究課題
基盤研究(B)
今日議論されている技術経営は、主に理工関係技術分野の研究者、企業経営者、開発技術者から提唱されており、必ずしもこれまでの経営学における技術、研究開発、技術革新、マネジメント論などの研究成果を踏まえたものではなく、相対的に独自な視点から研究がなされている。それゆえに、従来の経営学では見られなかった新しい視点、研究分野とともに、経営学でなされてきた研究分野・蓄積との重複もみられる。それらを整理し、「文」「理」の相互の発展、技術経営の発展を図ることが重要である。その視点から我々の共同研究チームは豊富な実例に基礎づけられた技術経営の理論化・体系化を図ってきた。具体的には、技術経営における技術の規定、企業の戦略と技術(経営・技術開発・生産戦略と技術課題)、製品技術と製造技術の独自性と連携、イノベーション・プロセスの創造と定着(プロジェクト・マネジメント、ナレッジ・マネジメント)、新事業、起業の展開と課題などの点で成果をあげてきた。技術経営とは、技術を経営資源として明確に位置づけ、技術課題を経営戦略と結びつけて企業価値増大のために体系的にマネジメントすることである。換言すれば、技術と市場を結びつけ、事業化するためのマネジメントであり、変動する環境に柔軟に対応しながら、技術創造と実用化にいたる全過程に対しての戦略的・戦術的計画を策定し、実行、管理を行うことである。したがって、次の経営学的視点が重要である。1.技術経営は技術自体を考えることではなく、企業価値増大のために技術の活用を考えることである。2.そのために、技術活動に対する諸経営資源(人、資金、設備・機械)の投入、それを成果に結びつけるための効果的・効率的な業務の遂行、それを保証する組織体制など経営諸要素を適切にマネジメントすることである。この観点から、今後は、技術経営を「価値創造・実現・獲得」という点、さらに経営資源を活用し変化に対応しながら企業体質をつくりあげる「組織能力」という点から、戦略、事業マネジメント、技術開発マネジメント、生産マネジメントついて考察していくことが重要である。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (9件)
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立命館ビジネスレビュー Vol.1
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RITSUMEIKAN BUSINESS REVIEW Vol45,No1
RITSUMEIKAN BUSINESS REVIEW Vol45,No2