研究課題/領域番号 |
16330083
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
商学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中島 望 大阪大学, 大学院経済学研究科, 教授 (00095936)
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研究分担者 |
照井 伸彦 東北大学, 大学院経済学研究科, 教授 (50207495)
阿部 誠 東京大学, 大学院経済学研究科, 教授 (70302677)
里村 卓也 慶應義塾大学, 商学部, 助教授 (40324743)
近藤 文代 筑波大学, システム情報工学研究科, 講師 (40322010)
ウィラワン ドニ ダハナ 大阪大学, 大学院経済学研究科, 講師 (90432426)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | 顧客の異質性 / 確率モデル / 消費者行動 / セグメンテーション / 非線形反応 / 階層ベイズ |
研究概要 |
顧客の異質性を捉えるアプローチにはさまざまな方法があるが、本研究では、顧客の異質性を考慮したマーケティング・モデルの開発および応用研究を念頭に、主としてベイズ統計理論を応用することによって、顧客の異質性を新たな視点で捉えなおすことを試みた。そうした背景には、最近のベイズ統計理論における計算手法の発展、顧客データ環境の整備、コンピュータ利用による顧客管理手法の発展、さらにはネットや携帯、宅配といったインフラの普及・整備なども重要な要因としてあげられる。 消費者の価格への反応を把握するために、価格に関する閾値や参照価格とその周りでの非対称な反応形を導入し、これらの消費者間異質性を階層ベイズの枠組みでモデル化した。実際のデータによる実証分析では、参照効果や反応の非対称性が閾値の導入により明確に把握できることが確認できた。また、広告効果の場合についても同様に、広告ストックに関する閾値を導入したモデルを構築し、広告の残存効果についての分析を行った。そして、これらの結果を利用することで、消費者ごとに異なったマーケティング施策を実施することの有効性を示した。その他、流通過程の分析やセグメンテーション、新製品の普及分析などについても同様に、いくつかの研究成果が得られている。 また、Web上での消費者行動分析やCRMなどの新しい問題にも取り組んだ。特に、RFMデータを利用した顧客生涯価値分析では、購買発生・顧客生存時間・購買金額の3つの要素を取り込んだ形にPareto/NBDモデルを拡張し、階層ベイズの枠組みで顧客の異質性を扱った。なお、ベイズ統計のマーケティングへの応用については図書という形にまとめ、研究者や実務家への普及をはかるとともに、わが国で開催された2つの国際シンポジウムではオーガナイザーなどとして主体的に取り組み、海外の研究者や実務家との相互交流をはかった。
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