研究課題/領域番号 |
16330096
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 健二 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (50162425)
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研究分担者 |
落合 恵美子 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (90194571)
赤川 学 信州大学, 人文学部, 助教授 (10273062)
中筋 由紀子 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (60303682)
葛山 泰央 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 講師 (30324669)
野上 元 日本女子大学, 人間社会学部, 助手 (50350187)
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キーワード | 歴史社会学 / 社会調査 / テクノロジー / データベースの構築 / テクスト / 画像 |
研究概要 |
今年度は、全体の研究計画を進めるために研究会の開催以外に、具体的なパイロットスタディとして、以下の2つの試みを行った。 1つは、50年ほど前に行われた社会調査の調査票原票をもういちどデータ化し、報告論文と併せて歴史社会学的に復元する作業に取り組んだ。コンピュータを利用できなかった時代に比べて、現在はテクストデータも自由に処理することができる。その利点や限界を含めて、社会学の認識の生産プロセスにおいて、こうしたテクノロジーの果たす役割について考察する手がかりを得られた。また単純に調査票という残存資料だけでなく、関連する新聞等々にまで資料のネットワークを拡げてみることで見えてくるものが大きいことが実証できた。 2つ目として、広い意味での社会調査の実践を洗い出す作業にも手をつけ、リスト化・データベース化の作業を進めている。これも調査としては有名でありながら、現実にはきちんとした報告書が出ていないもの、さまざまな資料で異なる形で言及されていて同定が不十分なものなど、まだ共有できるデータとするまでに多くの障害をクリアしなければならない。しかしながら、これまで研究方法にまで踏み込んだ形での「社会調査」の歴史社会学的な再検討が、個別実践横断的な広がりにおいては行われてこなかったことを考えるならば、今後の展開にとってたいへん意味のある作業となるに違いない確信を得ることはできた。 これ以外にも、画像データとしての利用などの実験にも着手しており、来年度には、このようなさまざまな可能性を研究方法論へと結びつけていく研究会活動を活発に行いたいと考えている。
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