研究課題/領域番号 |
16330097
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉見 俊哉 東京大学, 大学院・情報学環, 教授 (40201040)
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研究分担者 |
姜 尚中 東京大学, 大学院・情報学環, 教授 (10204794)
北田 暁大 東京大学, 大学院・情報学環, 助教授 (10313066)
多田 治 琉球大学, 法文学部, 助教授 (80318740)
小倉 利丸 富山大学, 文学部, 教授 (60135001)
伊藤 守 早稲田大学, 教育学部, 教授 (30232474)
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キーワード | アメリカ化 / 米軍基地 / 大衆文化 / 親米・反米 / 戦後日本 / 占領期 / 都市空間 / 沖縄 |
研究概要 |
本研究では、冷戦期からポスト冷戦期までの東アジア地域でのアメリカ的価値の受容や反発について、文化的な次元から横断的な比較歴史研究を進めている。その際、とりわけ米国の軍事的・経済的・文化的影響が大きな意味を持った日本本土をはじめとして、沖縄、韓国、台湾、フィリピンなどにまで視野を広げ、映画、テレビ、マンガ、音楽などの大衆文化から都市空間までの文化変容を、米軍基地の影響などに注目しながら、政治的な次元と文化-メディア的次元の関係を見据えて考察している。とりわけ本年度の研究では、戦後日本及び東アジアの大衆意識のなかでの「アメリカ」の存在、日常生活のなかでのアメリカ的価値やイメージ、文化商品の受容の過程を明らかにしていくための基礎となる資料収集と理論構築の作業を進めた。すなわちまず、戦後日本および東アジアにおける米軍基地とその文化的影響、アメリカ的生活様式(反米ないし親米感情)、アメリカ的大衆文化の浸透などについての基礎的な文献資料を集め、研究全体を枠づける理論構築の作業を行った。これについては、代表者の吉見がいくつかの研究論文にまとめている。また、共同研究者の多田治らが沖縄における米軍基地と観光リゾート化の関係についての分析を進めただけでなく、代表者の吉見も、戦後の歴史的な過程のなかでの東京多摩地域や三浦半島、湘南地域などにおける米軍基地の文化的影響について研究を進め、いくつかの成果を発表した。また他方、米軍占領期の視聴覚資料などについても調査を進め、新聞記事、雑誌記事、広告、マンガから映画までの資料(占領期のCIE関連の貴重資料を含む)のについてのデータベース構築を進める基礎をつかんだ。とりわけ、日米関係の中でビジュアルなイメージの受容を戦争との関係において明らかにしていくため、当学環所蔵のアメリカ製プロパガンダポスターについて資料的検証を進めた。
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