研究課題
基盤研究(B)
研究期間全体を通じて、申請書に記載した知事選や総選挙に関するサーベイ調査に加えて聞き取り調査も実施し、以下のようなデータが得られた。(1)投票行動に関するデータ。徳島、高知(2004年)、東京(2005年)、長野・滋賀(2006年)、東京(2007年)。(2)政治に関わる行為者に対する聞き取り。徳島(150件)、滋賀(40件)、高知・長野(各10件)。こうしたデータの解析のうち、徳島調査については成果を刊行し、他の都県については予備的な分析を発表し本格的な解析に着手するところである。そうした段階で当初の仮説の当否とその後の発展は、以下のとおりである。(1)政治的亀裂構造の再編に伴い、テクノクラシー-底辺民主主義-ポピュリズムという3つの供給様式が生じるという仮説は、調査地以外の宮崎・大阪といった事例をみても妥当かつ有効であることが検証された。(2)新たな政治的亀裂として院内-院外があるという見通しを得られたため、それを徳島の事例で検証したところ有効であることが確認できた。すなわち、院内=保革問わずすべての既成勢力は、既得権益に関わる争点が生じたときに対応できず、院外=既成勢力とは関係の薄い一般有権者の代弁者(住民運動や知事個人など)が現れたときに対抗しえない。(3)(2)の結果として、議会=政党を迂回した政治的意思決定がなされる「中抜きの構造」がもたらされる。(1)で述べた3つの新たな供給様式は中抜きの構造に親和的であるが、テクノクラシーが地方自治の脱政治化を目的とするのに対し、底辺民主主義とポピュリズムは再政治家をもたらす。このうち底辺民主主義は強い正統性を持つが、決定単位を分散化することで決定コストの上昇をもたらす点で、より効率の良いテクノクラシーに敗北することが、徳島調査の結論となる。
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