研究課題/領域番号 |
16330110
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
津止 正敏 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70340479)
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研究分担者 |
斉藤 真緒 立命館大学, 産業社会学部, 助教授 (70360245)
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キーワード | ボランティア / ボランティアコーディネーター / ボランティアセンター / ボランティアプログラム / 社会福祉協議会 / チャレンジドケース / 臨床研究 / 経験知と専門知 |
研究概要 |
本研究は以下の研究仮説を背景としている。私たちは、地域社会における問題やニーズの発生する場面あるいは市民の自主的活動の展開場面は、変容する時代の最先端を切り取るポジションにある領域として仮定した。ボランティア活動の具体的な展開場面としては、多くの複合的な課題を抱えるような環境が圧倒していると想定されることから、ボランティア活動のインテーク場面(ボランティアコーディネートション)で生じている対応困難な問題やニーズの発生現場の中にこそ、次代の新たな社会システムが潜在化している、と私たちは仮定した。私たちは、こうした問題現象やニーズあるいは活動プログラムの徹底した臨床研究を通して、激しく揺籃する時代の最先端部分をリアルに把握できるのではないか、と考えた。研究2年目に当たる今年度は、昨年度に引き続き、Jaan Valsinerの複数経路・等至点モデル(Trajecto-ry Equifinality Model : TEM)の応用可能性について検討を行った。今年度は、事例収集対象を以下の領域および場面に拡大し、データベースおよび理論モデルのさらなる精緻化を目指すと同時に、経験知と専門知の循環的帰納的理論構築に関する方法論についての検討を行ってきた。 (1)滋賀県下の社会福祉協議会ボランティアセンターにおける事例収集およびデータベース化 これまで収集した京都での事例と併せて、調査対象を京都から滋賀県下に拡大するために、滋賀県社会福祉協議会の協力を得て県下市町社会福祉協議会ボランティアセンターでのチャレンジドケースの事例収集のための調査を開始した。ボランティアの活動展開過程を左右する複数の契機・分岐点の導出を行い、ボランティア活動の理論モデルに結実させる。 (2)大学ボランティアセンターにおけるボランティアプログラムの研究・開発 大学ボランティアセンターに求められる機能・教学的位置づけに関する調査研究を行うと同時に、具体的なボランティア活動に関する教育プログラムの研究・開発を行ってきた。 (3)障害児の放課後支援活動を行うグループの調査 障害児の放課後保障は現実に多くのボランティアセンターにおいて困難事例として表出している分野であるため、障害児の放課後保障の実態把握についてボランティア資源を必要としている側(障害のある子どもの放課後保障全国連絡会)と共同研究に取り組んできた。2005年1月〜2月に実施した全国の障害児放課後活動団体に対する実態把握調査および都道府県・政令指定都市での施策に関する実態調査の分析検討を行なってきた。 これらの研究作業の一部については別記するように著書・研究論文として公表してきた。
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