研究課題/領域番号 |
16330115
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
青木 紀 北海道大学, 大学院・教育研究科, 教授 (80125484)
|
研究分担者 |
杉村 宏 法政大学, 現代社会福祉学部, 教授 (20113574)
岡部 卓 首都大学東京, 人文学部, 教授 (40274998)
松本 伊智朗 札幌学院大学, 人文学部, 教授 (20199863)
岩田 美香 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教授 (30305924)
藤原 里佐 北星学園大学, 短期大学部, 助教授 (80341684)
|
キーワード | 貧困観 / 生活保護 / 社会福祉 / 社会保障 / アメリカ / 国際研究者交流 |
研究概要 |
1.大規模アンケート調査を実施し(有効回答数:2829)、次の特徴が見えてきた。(1)貧困という言葉は日常用語としては定着していない。(2)ホームレスの人々や生活保護受給者も貧困とは必ずしも認識されていない。(3)いわゆる絶対的貧困観が支配的である。(4)貧困は社会的要因と個人的要因の両者で理解されている。(4)日本の貧困観は社会民主主義国に近い。(5)貧困になれば精神的打撃が大きいと推測している。(6)貧困から抜け出すためには個人的努力とともにやり直しの機会を求めている。(7)生活保護は必要な人々に行き届いていないと理解している。(8)生活保護の機能は自立に効果があると同時に依存もあると認識されている。(9)問題解決の責任は公的機関・企業・組合・個人の努力にあると考えている。 2.アンケート調査の限界(しばしば「知識」を問うことになる)を踏まえて、インタビュー調査(「格差社会における日本人の意識・態度・行動に関する調査」)を札幌、東京、広島、仙台で開始した。そのねらいは、個々人の人生の諸局面での態度と行動に、貧困の本質を探ろうというものである。すでに得られたデータからは大いに期待できることが見えている。また、アメリカ側の研究者の協力を得て、アメリカの貧困観調査の紹介をすることができた。 3.以上を踏まえで、9月6日、7日、東京にて、日米貧困シンポジウムの開催を決定した。大きくは、(1)なぜ福祉国家の後退を止めることができなかったか、(2)福祉改革と貧困の現実、(3)「豊かな国」の貧困観、(4)どのような戦略が必要か、というテーマで、日本側8人、アメリカ側4人の研究者を中心に行われる。すでに準備は行いつつある。
|