今年度は、昨年度からの「貝塚子育てネットワークの会」(以下、「貝塚ネット」とする)調査研究に加えて、「子育てネットワーク」と称される活動の組織形態や活動内容およびその特性の把握を目的とした全国調査を行った。詳細は以下のとおりである。 まず「貝塚ネット」調査では、2004年度に実施した調査を報告書としてまとめた。その主な内容は、「貝塚ネット」活動の歩み、「貝塚ネット」活動の参加者調査の結果報告である。また、「貝塚ネット」メンバーと家族調査の企画と調査の一部を実施した。この調査は、「貝塚ネット」17年間の歴史に関わった新旧メンバーとその家族に対するインタビュー調査である。同時に「貝塚ネット」活動における第三者評価の企画もすすめている。現在までの研究結果において、「貝塚ネット」活動は子育て支援ではなく、当事者活動であること、活動に深く関わっているメンバーほど地域での子育て意識や関心が深いこと、設立以来17年間の歴史は、メンバーだけでなく家族や活動に関わった参加者など広範囲に波及効果を与えていることが明らかになった。 次に、「子育てネットワーク」に関する調査では、葉書による一次調査(送付数690部、回収数368部)と、「子育てネットワーク」を実施していると回答した組織に対する質問紙調査を実施した(調査期間:2005年8月29日〜9月11日)。その結果、直接サービスの提供や子育てサークル支援などを含む多様な活動を実施していることが明らかとなった。さらに、多様な活動を実施しつつも、直接サービスの提供や子育てサークル関係の活動よりも、他組織や人との情報交換など、組織や人がつながることによって取り組む活動を「子育てネットワーク」活動としてより強く認識している組織が多かった。
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