研究課題/領域番号 |
16330121
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会福祉学
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研究機関 | 金城学院大学 |
研究代表者 |
杉本 貴代栄 金城学院大学, 現代文化学部, 教授 (20206428)
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研究分担者 |
森田 明美 東洋大学, 社会学部, 教授 (70182235)
高井 葉子 城西国際大学, 情報経営学部, 講師 (30316864)
流石 智子 華頂短期大学, 社会福祉学科, 教授 (40132287)
大塚 陽子 立命館大学, 政策科学部, 助教授 (30368021)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | 社会福祉関係 / ジェンダー / 女性政策 / 母子世帯 / 女性労働 / 児童扶養手当 / 養育費 / シングルマザー |
研究概要 |
1990年代から、日本においても福祉国家の国際比較研究が盛んになったが、そのほとんどは福祉国家のジェンダー側面に注目しておらず、福祉国家と女性との関係を明らかにすることに成功していない。本研究では、今まで行われてきた福祉国家比較研究に抜け落ちていたこれらの視点を取り入れ、福祉国家と女性の関わりを明らかするために、日本、アメリカ、デンマーク、韓国においてシングルマザーを対象とした調査を実施した。それぞれ異なるタイプの福祉国家である諸外国と国際比較をすることにより、日本の福祉国家のジェンダー的特徴と課題を明らかにすることを目的としたからである。 調査は、日本、アメリカ、デンマーク、韓国において、それぞれ20人のシングルマザーを対象として実施し、それぞれの国におけるシングルマザーを対象とする女性政策の実施の実態、課題、シングルマザーの生活の実態について行われた。 調査の結果から、国家が女性政策(社会政策全般)に大きく介入している北欧型のデンマークと自由放任型のアメリカとの差が明らかとなり、日本と韓国はその中間に位置していることが確認された。しかし自由放任型のアメリカにおいても、全く国家が政策に介入しないわけではなく、北欧型、日本型とは異なる「何らかの所得の再分配」は行われており、近年その傾向は強くなりつつある。そのような政策なしには、シングルマザーの貧困化が進行するからである。むしろ中間型であるはずの日本や韓国において、男女の平等化が停滞し、女性政策の弱体化が明らかであり、シングルマザーの抱える「ジェンダ課題」が深刻化している。男女平等社会がどの程度実現しているかにより、女性政策(社会政策)は大きく左右されるといえよう。
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