研究課題
基盤研究(B)
ホームレスの生活と健康実態を把握し、自立支援方策をさぐる目的で次のような研究を実施した。1.約1500人のあいりん地区ホームレス者を対象に健康調査ならびに生活と健康に関する聞き取り調査を実施し、医療・保健・生活相談を継続した。結核検診受診者のほぼ2〜3%が結核要治療、重症高血圧者の割合は一般男性のほぼ4倍、やせているのに糖尿病が多い、肝臓機能異常者が多いことが判明した。2.あいりん地区の無料低額診療施設入院患者の聞き取り調査を実施し、一般男性に比して、ストレスが極めて高くうつ状態のものが多いこと、平均身長が低く低学歴が多いことから幼少時に貧困な環境にあった者が多いことを明らかにした。3.大阪市内(あいりん地区外)におけるホームレス者の生活と健康の実態把握と支援を目的に、CR結核検診車を中心にして血圧測定・聞き取り調査・健康生活総合相談を実施した。あいりん地区内よりも健康状態の低位なものが多いことが判明した。医師・弁護士・歯科医師・保健師・看護師・司法書士・社会保険労務士・社会福祉士・精神保健福祉士・MSW・巡回相談員・NPOなどの支援団体・学生・研究者など約250人が参加し、これを契機として日常的なホームレス支援のネットワークが強化された。4.本研究に参加した研究者を中心にホームレス者の生活健康支援を主な活動目的とするNPO HEALTH SUPPORT OSAKAを設立し、継続的な研究・実践体制の強化をはかった。5.ホームレス者においては結核有病率・罹患率が極めて高いが支援体制を工夫することにより、克服可能なことを示しえた。この研究成果をひとつの基盤として、NPO HEALTH SUPPORT OSAKAは大阪市からホームレス者の結核対策を受託し、ホームレス者の結核対策推進方策の検討・そのための関係機関・団体のネットワークつくり推進を通じて、自立支援の実践的研究を実施する体制の強化をはかった。
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結核 82巻1号
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BULLETIN of SOCIAL MEDICINE NO.23