本年度の主な進行状況:1)顔形態特徴の測定システムの整備、測定指標の設定、2)研究対象者の設定(日本、韓国、中国)、3)顔コミュニケーション研究の動向及び対人コミュニケーション、社会的スキルとの関連についての研究展望であった。1)については、顔形態特徴3次元計測装置(当該メーカー開発1号機)の開発作業の遅れがあり、納入期も予定に比べ遅くなった。しかし、初年度としては、韓国にて80名を超える対象者の顔面表情、顔形態特徴の測定を行うことができたことは、重要であった。この対象者については、2種類の社会的スキル尺度も実施した。3次元計測データについては、上記の測定装置にて得られたデータを所定の解析プログラムのカスタマイズを経て、指標化し、計測値の抽出を行うことができた。計測点としては、鼻根幅左右点、頬骨、鼻尖点、上下唇点、内眼角、口角点等39ポイントを計測点とし、これをRpid formによるプログラムにて画像表示し、測定し、その計測データをエクセル(マクロ)により、相貌学顔高、鼻根顔高等約30のMartin法による人類学的生体測定指標値を算出し、これまでの研究との比較を立体画像による計測値としてより高い精度で今後の分析を行う。さらに、これまで得たデータ群とも関連させて、顔形態特徴の民族比較、文化的な視点からの容貌観の比較、コミュニケーション・スキルの比較を検討している。その成果は、今年度開催のAASP国際学会大会、及び、国内の関連学会で発表予定である。
|